LIFE LOG(八ヶ岳南麓から風は吹く)

八ヶ岳南麓から風は吹く

大手ゼネコンの研究職を辞めてから23年、山梨県北杜市で農業を営む74歳の発信です/「本題:『持続可能な未来、こう築く』

14.6 国民会議が中心となって三種の指導原理に依拠する新憲法草案の作成

14.6 国民会議が中心となって三種の指導原理に依拠する新憲法草案の作成

 実は、この表題の件は、後続の章(第16章)にて詳しく扱うので、ここでは、新憲法に盛り込むべきではないかと私には考えられる内容のうち、これまでの日本国憲法にはなかったものについてのみ、その概要を記述するに止める。

それは、昨今、特に自民党政権を中心に憲法改定論議が盛んであるが、その場合の議論の的になっていることは例えば、国の安全保障に関わる第9条であったり、国民の家庭のあり方であったり子育ての仕方であったりと、極めて一部分に偏ったものであるだけではなく、本来憲法には馴染まないことであったりするが、私から見れば、本来の憲法とはどういうものかという観点に立ったならば(第16章)、どうしてもこうしたことも憲法の中に明記されなくてはならないのではないかと思われるものが欠落していると思われるからである。

 その場合、これからの憲法は「環境時代」すなわちポスト近代、ポスト資本主義の時代にふさわしいものでなくてはならない、ということをも合わせて考慮している。

いずれにしても、憲法とは、少なくとも、安倍晋三が語っていたような、「憲法は国の理想を語るもの」でもなければ、「国の理想の姿を描くもの」 でも断じてない。そのように理解する安倍晋三は、憲法とは何かを本当は知らないということだ。知らないで一国の首相をやったのだ。自分の頭の中で勝手に描いていただけなのだ。

実際、彼は憲法というものをこの程度にしか理解していないから、彼の内閣では、彼の考える「国の理想」に向けて、憲法が定める憲法改定手続きを平気で無視しては9条の解釈改憲を数に力を持って強行したし、国権の最高機関である国会を無視した上での「閣議決定」という独裁を繰り返しては専横を繰り返してきたのだ、と私は断定するのである。 

 ともかく、私たち国民が私たちの憲法を自分たちで創って持つということは、自分たちが自分たちの意思に拠り国家共同体を結び、「自分たちで自分たちの進み行くその道を決意し、自分たちの国を自分たちで形づくることを決意する内容を明文化すること」(樋口陽一なのである。

 

 では、この憲法学者である樋口氏の言葉の意味内容を受け止めて、環境時代にふさわしい憲法として、現行日本国憲法に対して補われるべき事柄、あるいは曖昧さを払拭してより明確にされるべき事柄とは何か。

私の考えるそれは、次のものである。そしてそれらはいずれも、憲法の「前文」に書かれるべきものではなく、「本文」に明記されるべきものと考える。

ただし、「日本国の起源」のみは、前文に明記する。

 その起源に言及するのは、歴史上、「日本」という国号がいつ定まったのかを明確にすることによって、日本も日本人もそれ以前には存在しなかったことを今を生きる全ての日本国民が確認し、真の意味での「日本人の自己認識の出発点」(網野善彦「『日本』とは何か」講談社学術文庫p.21)を明確にするためである。

○国家理念(三種の指導原理)と国家目標

憲法の理念「立憲主義・民主主義・平和主義」

○人および市民の人間個人としての基本権

主権の保持者、生存権、人格・人身の自由権、信仰・良心・宗教活動の自由権、表現・出版・放送・芸術・学問の自由権、集会・結社の自由権、営業の自由権、性別・出自・人種・言語・故郷・門地・信仰・宗教的または政治的見解の違いに拠らない法律の前の平等権、私有財産の所有権・相続権・公用収用権、

成年、母性・児童・家族の保護、健康を維持する権利、社会保障を受ける権利、信書・郵便・電気通信の秘密の保護、労働権・争議権、裁判を受ける権利、弁護を受ける権利、不利益な供述を強要されない権利、身体の無瑕性の権利、環境権、国家による人権庇護権、無罪推定、一事不再理、請願権、出訴権の保障、国家賠償を受ける権利、公務員の罷免権、先住少数民族の権利、移民と難民の受け入れと地位(基本的人権の保障)、政治的亡命者の保護、基本権の喪失、権利の制限、

○国民の義務

すべての国民の憲法擁護の義務(国民の不断の権力監視義務と憲法を守る義務)。納税の義務。環境、とくに生態系と生物多様性の保護

○国家の使命

○元首

○共和制(判りにくい「象徴」天皇から天皇の国王化。君主制の一種である天皇制の変更)

○国旗と国歌

○国章

天皇の地位(天皇の権能の限界、天皇と大統領との関係、天皇の国事行為を含めた役割、天皇の財産の授受)

○立法・行政・司法の三権の独立分立

連邦議会

上院(参議院)と下院(衆議院)の二院制

下院(衆議院)と上院(参議院)の役割

議会の解散の有無と解散権

司法権

とくに行政権からの完全独立

憲法裁判所

○連邦および連邦構成主体としての州・地域連合体の立法権、行政権、司法権とそれぞれの独立性

○連邦構成主体とその法的地位および権限(連邦、州、地域連合体。連邦政府と州政府と地域連合体政府との間での権力関係。地方自治の保障

徴税者としての連邦・州・地域連合体の政府の義務。

○連邦の管轄事項

○連邦構成主体の管轄事項

○連邦と連邦構成主体の共同管轄事項

◯「法の支配」の遵守

○新国家建設構想立案国民会議の地位

普通選挙と一票の平等性の保障と選挙管理

○条約締結権限

○財政制度

○政治家の使命と責任

○公務員の使命と役割

○非常事態時、緊急事態時の国家の対応の仕方(個人と法人の権利の制限)

文民による軍人に対する統制権(シビリアン・コントロール)の二重三重の保障

○法人の基本権と独占の禁止

○首都

○通貨(全国通貨と地域通貨の共存)