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八ヶ岳南麓から風は吹く

大手ゼネコンの研究職を辞めてから23年、山梨県北杜市で農業を営む74歳の発信です/「本題:『持続可能な未来、こう築く』

17.3 新国家建設構想の国民への説明

17.3 新国家建設構想の国民への説明

 出来上がった新国家建設構想は次の手順と方法によって国民に説明して、周知徹底を図り、再度、国民全体の協力を要請する。

⑴ 国会(連邦議会)にて説明と国会承認

 先ずは出来上がった新国家建設構想を国会にて説明する。代表して説明するのは国民会議議長である。

ただし、その場合、国民会議は国会と同等の権力と権威を有する機関であり、独立機関であるゆえ、説明されたそれらを国会内で改めて審議することはなく、説明を受けた国会は、その国会にて、国民会議による新国家の建設構想の立案に着手する際の基本的な考え方と方法(17.2節)を周知徹底の上で承認の議決し、権威ある新国家創建プロジェクトと公式に位置付ける。

 

⑵ 公式となった新国家創建プロジェクトを内閣に受け渡す

 国民会議議長から説明されたその内容を、国会議員を代表して下院議長が、同じく新選挙制度によって選ばれた政治家から成る内閣にも直ちに知らせる。内閣には、国民会議が決めたことをその通りに、滞ることなく執行してもらうためである。

つまり、こうして国民会議と国会と内閣は、国家的事業に向けて共通の土俵の上に立つのである。

 

⑶ 首相から国民への新国家創建プロジェクトの発表と説明

 首相が国民に向け、公式の国家創建国家的大事業と位置付けられた新国家建設構想を平易な言葉をもって、簡潔に、しかし論理的に説明する。

 

⑷ 国民一般から真の意味での公聴会を全国各地で開催

 首相の説明に対する国民一般からの質問や意見を寄せてもらい、それを国民会議にて検討してもらい、国民会議としての回答を出してもらう。

それを政府が透明性をもって国民に公正に発表し、それに対する国民の質問や意見を再度寄せてもらう。

 政府と国民とのこのやり取りを幾度か繰り返し、新国家建設構想をより国民の納得ゆくもの、充実し実現可能な内容のものへと高めてゆく。

 そして質問や意見がほぼなくなった時点を見計らって、最終的な新国家創建プロジェクトとする。

 

⑸この大プロジェクトの実施

 以後は、いよいよ中央政府連邦政府)と地方政府が共同歩調を取りながら、このプロジェクトの実施へと進む。

 いうまでもなく、その時にも、中央政府の首相と閣僚、そして地方政府の首長は、配下の官僚や役人たちを、公僕として、常にきちんとコントロールしながら、そして全国民の協力を得ながら、新国家創建プロジェクトを、金と人と時間の面において、最高度の効率をもって実施してゆく。

17.2 「新国家建設構想立案国民会議」の設立による新国家建設構想の立案と国家創建着手に向けた基本方針(考え方・方法・手順)の明確化

 

17.2 「新国家建設構想立案国民会議」の設立による新国家建設構想の立案と国家創建着手に向けた基本方針(考え方・方法・手順)の明確化

 

 新生日本国の建設に着手するにあたり、先ず首相あるいは大統領は、全国民に向けて、「新国家建設構想立案国民会議」(以下、国民会議 9.1節を参照)を早急に立ち上げると発表する。また、同時に、その国民会議を法的にも保障すると補足する。

その国民会議とは、文字どおり、国民の全階層の代表からなる、その新国家の構想を練るための主体となるものである。

 そこで、本節では、この国民会議の設立の手順と、その国民会議の法的裏づけ、そしてそれが設立された後、その国民会議によって新国家の建設構想を立案する際の基本的な考え方と方法とをあらかじめ明確にしておく。

 

国民会議設立の手順と国民会議の法的位置付け

 この会議の構成員は、新選挙制度(第9章)によって誕生した本物の国会議員からなる新中央政府の下で設けられた国民会議設立のための超党派委員会(以下、超党派委員会)によって集められる。

 そこで、まずはその超党派委員会の役割についてである。
なお以下の作業については、全てを政治家自身が自らの秘書の手助けの下で、役割を分担しあって直接行い、そこには官僚は一切関わらせないことである。なぜならば、そうした場面で官僚を介在させると、彼らは、国民の利益第一という「公僕」としての発想に基づいて動くのではなく、決まって自分たちが所属する組織の利益確保や既得権益の維持を最優先して狡猾に動くからである。したがって、官僚の力を少しでも利用しようというのなら、その場合には、必ず政治家が具体的な指示を彼らにし、しっかりとコントロールするのである。なぜなら、これまでのような官僚独裁の政府にさせないためには、そうした官僚対応が絶対に必要だからである。

 

 ここで少々脱線して、参考までに、私のこうした主張を裏付ける一つの実際例を以下に示す。

それは、2022年11月の終わりころ、日本国民の間で大問題となった政治的問題から拾った実例である。

それはその時の岸田文雄内閣が、これまでのこの国の基本政策としての「専守防衛策」と、「3.11(東日本大震災とその後の原発の大爆発)」を被ったその教訓として、「今後は原発の新規建設はしない」を、自身の選挙公約にもなかったことでありながら、さらにはこの国が採っている議会制民主主義における国権の最高機関である国会をも軽視して、その審議も経ずに、そして国民が納得できるような説明も全くしないまま、文字どおり独裁的に方針転換して「閣議決定」したときのものである。その閣議決定に至るまでの経緯を、某民放局がわかりやすい図表にしてまとめてくれたものを、私がその画面を写真に撮ったものである(以下に掲載する写真)。

 この写真が示している図表の中で、官僚が設けたと思われる各種の会議あるいは小委員会と称する会議体の委員構成の仕方と各委員への発言のさせ方に特に注目していただきたいのである。

具体的には、反撃能力・財源を決めた上段の経緯の中の「有識者会議」での各委員への発言のさせ方について。そして原発の新増設を決めた経緯を示す下段の図の中の、12回行われたとしている「経産省 原子力小委員会」の委員メンバーの構成が「21人中 脱原発派は2人」となっている点について。続いて、5回行われたとする「政府GX実行会議」の委員構成13人中、原発容認発言者が9人で、原発慎重発言者が1人、しかも、原発容認発言者の中には、中部電力ENEOSそして三菱商事など、民間メンバーであり、かつ利害関係を有する者が含まれていたという点についてである。

 反撃能力・財源についての「有識者会議」を立ち上げたのは、多分、防衛省財務省の官僚であろう。そして原発新増設についての「経産省 原子力小委員会」と「政府GX実行会議」を立ち上げたのは明らかに経産省の官僚であろう。彼らは、それぞれ、自分たちの所属組織の利益確保と既得権の拡大を実現させ、その功績を自分たちの所属組織内で高く評価されて出世したいがために、こうした委員構成にしたのではないか、と推測できるのである。

 そしてこうした官僚たちの手口は、これまで私が記述してきた官僚たちの実態と符合していることに注目していただきたいのである(2.5節)。

 つまりは、官僚たちが会議体を設立する時の手口はいつも決まって同じで、まことしやかに出来レース」をやって見せているのだ。だからそれぞれの会議体の進行のさせ方も、表向きは座長あるいは委員長を立てながらも、司会あるいは議事進行は自分たち官僚がその場を仕切り、自分たちが予め決めた結論に「お墨付き」を与えるような答申がなされるように、満座の委員を誘導するのだ。

 このことからわかるように、官僚たちが政府内に設ける会議体は、その官僚たちの目論見を隠すための手段としての隠れ蓑なのだ。担当官僚によって委員会のメンバーが恣意的に選任され、選ばれる方も官僚の意図を察して委員になることを了承して委員構成が決まった瞬間、すでにその会議体としての最終結論は出ていたも同然なのだ。たとえ、その過程で、何回その会議体が開催されようとも、である。多分、担当官僚も、自ら望む委員構成ができた瞬間、内心、ほくそ笑んでいたことだろう。あとは答申が出る時まで、自らがその会議体を仕切りながら、その会議がいかにも様々な有識者の意見を聞いて民主主義的に行われていたかのように装うだけのことなのだ。
 そして所属組織内でこうして国民を騙して実績を上げた官僚が立身出世し、また栄転してゆくのである。

 もちろん、この閣議決定の後、私たちが、山梨県北杜市で、国土交通省が実現を目論んでいる「中部横断自動車道(北部区間)」建設の賛否を問うという建前の下で行われたパブリックコメントの場合と同様に(2.5節)、この閣議決定の内容について国民の声を幅広く聞くという建前の元に行われるかもしれない「パブリックコメント」についても、手口は全く同じで、まことしやかな「出来レース」であることは間違いない。

 そこで私は思う。私たち国民は、新聞等のジャーナリズムも、官僚や役人たちのこんな狡猾な手口に騙されてはいけないのだ。権力を行使する者は、正しく「法の支配」に拠って権力を行使しているのか、としっかりと権力の行使のされ方を監視しなくてはいけないのだ。

 もっともこの場合も、最大の責めを負わねばならないのは、会議体の設立を官僚任せにした総理大臣であり担当閣僚だ。なぜなら彼らは、国民の代表として公僕たる役人をコントロールしなくてはならないという、政治家としての最大の役割を放棄していたのだからだ。

 

BS-TBS「報道1930 ▼岸田総理に直撃“日本の大転換”決断の瞬間▼安倍氏不在の舞台裏は」より 2022/12/27

 

⑴ 全国から「新生国家建設のための構想づくりに熱い情熱を持って深い関心のある人々」を募集し、その中から次の条件を確約できる人のみを、徹底した透明性を維持した中で、社会のすべての階層から満遍なく選任する。

 なお、超党派委員会は、男女の多様な意見を取り込むために、国家を構成する個々のシステムあるいは制度の設計に参加する国民会議の委員の数は男女同数とする。その場合も、選任する。

ただし、国家を構成する個々のシステムあるいは制度の設計に参加する国民会議の委員の選任に際しては、現行の社会システムにおいてすでに利害関係を有する者は除外する。

①公平中立の立場で、生命主義を基本理念とする国家の社会システムや制度の設計に貢献する。

②会議の途中経過について外部に公表できるのは国民会議議長のみとし、各委員は決して口外しないこと。それは、いたずらに国民の間に混乱を生じさせないためである。もし、口外したことが明らかになった場合には、それまでのその委員に国家から支払われた報酬はすべて没収されること。

③招集の連絡があった際には、毎回参加し、討論に加わること。

④また、国家の社会システムや制度を設計してゆく際、既存の現行法との関わりは一切無視して構わないこと。なぜなら、どっちにしても、国を生命主義の国家とするには既存の法体系は全面的に書き換えねばならないことだし、後に成立した法律が既存の法律に優先されるからである。

⑵ 国民会議議長の選任

 超党派委員会は、集まった国民会議委員の中から、「互選」という形式で、国民会議を代表する議長を選任する。

⑶ 各分野の専門家の選任

 国民会議の委員が国家の個々のシステムあるいは制度の設計のために議論する際、専門的立場から助言や情報を的確に与えられる専門家をも、全国から、徹底した透明性を持って、公正に選任する。

⑷ 国民会議の法的位置付け

 国民会議はそれ自体が国民の各階層の代表から成るものであるゆえに、超党派委員会は、国民会議に対して、その権威は立法機関としての国会の権威と同等であり、同時に、その権力は他のあらゆる国家権力機関から完全に独立しているものと、立法をもって位置付ける。

ただしその場合も、国民会議は、あくまでも現行の国のあり方や諸制度を超えた新国家を建設する上での構想を立案することのみを使命とする国民各層の代表機関であるために、その点は国内の政策的、法的、予算的な諸問題を議論して議決することを主たる使命とする国会とは立場を明確に異にするのである。

 

Ⅱ 国民会議による新国家の建設構想の立案に着手する際の基本的な考え方と方法

国民会議の各委員が選任されて決まり国民会議が設立されたなら、国民会議議長(以下、議

長)の下で、委員全員で、先ずは新国家を構想する際の基本的な理念であり羅針盤と、その新国家が目指すべき「目的」と「理念」と「形」の確認であり、同時に、それらの妥当性についての最終的な再検討

 その場合の理念は、三種の主導原理(4.2節)と都市および集落としての三種の原則(4.4節)そして、人間にとっての基本的諸価値が持つ階層性(4.3節)である。

また、目指すべき新国家の「目的」と「理念」と「形」は第8章にて明らかにしてきた内容である。

⑵ 新国家の建設構想の立案に際しての基本的な考え方と方法

 それは、一言で言えば、連続性と一貫性の確保ということである。

具体的には、国家を構成する個々のシステムあるいは制度は互いに内的あるいは質的に連続性を持っていて、なおかつ、それらの個々のシステムや制度は、どれも、先の基本的な理念が持つ考え方や精神に貫かれていることである。

 これまでのこの国は、明治期以来今日まで、そうは成り立っていなかった。というより、国を構成するすべてのシステムや制度は、目先を見ただけの、あるいはよその国がとっているものの単なる寄せ集めでしかなかった。だからそこには、相互の間に内的あるいは質的に連続性などなかったし、一つの基本的な理念によって共通に貫かれているなどといったことはなかった。いってみればすべてがゴチャゴチャだった。

 そうなったのも必然だった。そうしたシステムや制度を作ってきたのは行政府だったが、その中央政府も、またそれを真似ているだけの地方政府も、その内部の組織はすべて、縦割りでできていたからだ。「組織の縦割り」と呼ばれるそれだ。もちろんそうした組織のあり方を創ってきたのは明治期の官僚だ。そしてそれを、この国のすべての政治家たちは、その後、今日まで放置したままできたのだ。そしてそれが故にこの国をいまだに本物の国家と成し得てはいないのだ————その意味でも、やはりここでも、最大の責を負うべきは、この国のすべての政治家なのだ!————。そしてその弊害が今、巨大な無駄となって、ますますいたるところに現れている。その際たるものが、税金の無駄遣いであり、情報の速やかな伝達を妨げていることであり、人材の交流を妨げていることだ。

 だが新国家においては、国土全体が、社会全体が、法体系全体が、一つの理念に貫かれた連続的全体を成すようにするのであるから、国を成り立たせる経済、政治、教育、福祉(保健・医療・看護・介護・子育て)、科学、技術、文化、金融、財政、等々の全ての分野が、そのそれぞれの仕組みや制度の根底において、共通に、「三種の主導原理」と「都市および集落としての三種の原則」そして「人間にとっての基本的諸価値が持つ階層性」が実現されて行くのである。

 なおこの点については、専門的立場から国民会議各委員に助言する専門家も、各々は専門分野を持ちながらも、しかしそこに埋没したりそこだけに執着したりするのではなく、常に周囲との間で連続的一貫性を保つようにしながら、そして目指すべき国家の全体像を見失わないように留意しながら、助言するのである。

国民会議各委員の構想づくりにおける担当部署の決定

 国民会議を構成する各委員は、新国家の構想作りに着手するに当たって、自分の担当したい分野を自己申告し、議長はそれをできる限り尊重するようにして、各担当分野を決める。

決まった後、いよいよ具体的なシステムや制度の設計の作業に取り掛かる。

⑷ 構想立案期間

国民会議が新国家の構想立案に与えられる期間は二年間とする。

悠長に構えていられる時間はもはやこの国にはないし、人類にとってもないからだ。

17.1 本物の国家、持続可能な国家の建設に着手する旨の国民への説明

17.1 本物の国家、持続可能な国家の建設に着手する旨の国民への説明

 その場合何と言っても先ず必要なことは、新選挙制度によって国の中央および地方に誕生して来た本物の政治家たちが、中央で、また地方で、国民ないしは住民のすべてに向けて、これからこの日本という国は、どういう根拠に基づいて、どういう国づくりを、どのような行程に沿って目指すのかということを、国民の誰もがわかる平易な言葉で、論理的かつ具体的に説明することだろう。

そしてそれに対する国民からの質問や意見をあますところなく聞き、それに対して、決してごまかしたり曖昧にしたりせずに、正直に、かつ誠実に回答することであろう。

 そしてその上で、この前代未聞、日本国の命運をかけた、そして世界人類の存続に間違いなく貢献できるであろう、文字通り国家的大事業、人類史的大事業への国民の全面協力を呼びかけることである。

 振り返れば、私たちの先人は、かつて、幕末から明治維新への移行の時と、アジア・太平洋戦争敗戦前後でも大変革に遭遇している。

しかし、この二つの変革を行うにあたって共通していたことは、そこには国民一般の意思は一切汲まれてはいなかったことだ。つまり、国民の知らぬ間に、国民の代表である政治家ではなく明治維新の流れを汲む官僚たちが、いつの間にか「富国強兵」「殖産興業」を「国策」としてしまったわけだし、戦後は、同じく国民の知らぬ間に、あるいは了解のないままに、いつの間にか「果てしなき経済成長」を暗黙の国策としてしまったのである。

 しかし、今度はそれらとは全く違う。そこでは、国民は一人ひとりが、自ら、歩み出そうとしていることの動機・主旨・目的を理解し合意した上で、主体的・能動的にその、文字どおり前代未聞の国家的・人類史的大事業に参加するのである。

 

 しかし、その場合、政府の首相は、次の諸事項をも、国民に予め明確に伝えておくことも忘れてはならない。それは政治家全員が、国民から選挙で選ばれた「国民の利益代表」としての覚悟を示すためでもある。

その1つは、このような試みは、既述のごとく、日本の歴史始まって以来初めての試みであると同時に、世界のどの国を見渡しても前代未聞の試みであること。それだけに世界は注目しているであろうこと。

 1つは、またそれだけに国民を挙げてのこの挑戦は、幾たびか大混乱や予期せぬ事態に直面するだろうが、それは、今後、ほぼ間違いなく直面することになるであろう一層大規模で長期にわたる惨事に対して、国民に対応力を身に付けさせ、生き抜く力をも増し加えてくれるであろうこと。

 1つは、そしてその試みは、困難ではあっても、その先には、国民の皆が希望と展望と誇りを見出せるようになるであろう試みであること。つまり、それは、国民がこれまでの漠然とした将来不安から解放されて、新生日本国を建国する生みの苦しみの時であり、私たちの愛する子や孫が永遠に存続できるようにするための、国民みんなで助け合って乗り越えて行かねばならない試煉でもある、と。だから、私たちはその大事業に敢然と立ち向かうのだ、と。

 1つは、それに私たちがその試みに挑戦してみせることは、これからのあり方を模索する世界の人々に大きな勇気と示唆を与えることにもなろう、と。

 1つは、それに、日本は過去、太古の時代からは中国と韓国・朝鮮を通じて、またとくに明治以降は欧米から計り知れない文化と文明の恩恵を受けて来たが、いま、私たちが世界のどこよりも先駆けてこの挑戦を試みることは、これらの国々に対して、幾分かの恩返しになるのではないか、とも。

 1つは、この試みは、既存の法律があり、現行の諸制度が生きている中で、それらを逐一作り替えては前進しながら、最終的には、これまでとはまったく異なる体制と理念を持つ国家を建設しようというものであること

 1つは、そしてその大事業には私たち政治家が本物の知識人の助言を得ながら、覚悟をもって国民の先頭に立つと誓う、とも。それは言い換えれば、この大事業は、そのすべての過程において、国民の政治的代表である私たち政治家が公僕である役人をコントロールしながら、全責任を持って行おうとするものである。これまでのように、官僚に依存したり放任したりは決してしない、と。

 

 こう説明することにより、国民は、一人ひとり、これから自分たちの祖国日本はどう変わり、どういう国になるのかが眼に見えてくるようになるだろうし、またそのことにより、国民の老若男女、健常者も障害者も、富者も貧者も、それぞれの覚悟も決まり、生きる目標も定まるようになるだろう。

 そして、その時点をもって祖国大変革の大事業はスタートするのである。

 ただし、もちろんここで言う国民への呼びかけは、自由で自主的な参画を促すもので、かつて、日中戦争に際し、人的および物的資源を統制し運用する広範な権限を政府に与えた「国家総動員法」(1938年)とはまったく似て非なるものである。

第17章 新しい政治家による国家創建に向けた道筋と行程

第17章 新しい政治家による国家創建に向けた道筋と行程

 これまで私は、第1部では、世界の現状に対する私の認識と、人類が永続的に生きて行けるための条件としての原理と原則、そしてこれからの日本人に特に求められていると私には思えていたものの考え方や生き方を明確にしてきた。なお、ここで言う「人類が永続的に生きて行ける」との意味は、百年や千年の長さではない。人類のうち現生人類としてのホモ・サピエンスが東アフリカで進化したのは今からおよそ20万年前と言われるが(ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史」河出書房新社p.9)、少なくとも、ほぼその長さに匹敵する時間的な長さを生きて行ける、との意味である。

 続く第2部では、第1部を土台にして、つまり、人類が永続的に生きて行けるための条件としての原理と原則を土台にして、今度はこの国が真に持続可能な国と国家となりうるための社会を成り立たせる基本的に重要な諸制度とはどういうものか、そしてそれらの内で最も重視しなくてはならないことは何かということについて、やはり私なりに述べてきた。

 なおここで言う真の国家とは、これまで幾度も述べて来たように、「社会の構成分子たるあらゆる個人または集団に対して合法的に最高な一個の強制的権威を持つことによって統合された社会」のことである。あるいは軍(自衛隊)を含めて、あらゆる公的機関・公的組織を合法的に最高な一個の強制的権威を持つことによって統合できる、「中枢」機能を持った統治体制を確立している国であることだ。当然そうなるためには、最低でも、現在、この国の全ての役所に共通に見られる「タテ割り」の組織構成が全政治家たちの手によって壊されていなくてはならない。そもそも、一国の政権を担う総理大臣や閣僚が政府の行政状況を国民に説明する際、決まって官僚の書いた作文を棒読みしなくては説明できないということは、国民から選挙で選ばれた国民の代表である政治家が、公僕、すなわち「国民の召使い」である官僚を使いこなすのではなく、逆に官僚たちに操られていることを意味しているのである。実際、同じ行政課題についても、各省庁の大臣によって言うことが異なるということが頻繁に生じるが、それも、自分たちが所属する府省庁の利益を国民の利益に常に優先させる官僚たちに操られているという事実を証明しているのである。こんなことでは、イザ国難という時には、初動体制に遅れが出るどころか、事実上の無政府状態に陥り、その結果、国民は中央政府からも地方政府からも救われる可能性はほとんど無くなるということだ。実際、そのことは既に近年の幾多の大惨事で証明されてもいる。

 この状態は現行憲法が明記している「主権在民」など全く空文化していることで、実質の主権者は官僚を含む役人だということになってしまうのである。したがって、こんな状態では、どんなに選挙によって政権が変わったとしても、その政権を操っているのが官僚たちである以上、そして官僚たちは選挙のたびに入れ替わる訳ではなく、組織の一員としてずっと存続している以上、国民に対する政治や行政の中身が変化するはずもないのである。実際、官僚たちの多くは、政権がどんなに変わろうとも、俺たちがこの国を運営している以上、既得権を手放すことは絶対になく、現状は何も変えさせない、という意識でいるのだ。それはすなわち、この国は主権在民の国ではなく主権在官の国のままとなるのだから、国の中には依然として民主主義はもちろん表現の自由も、そして「法の支配」も実現されるはずはない、ということを意味するのである。それだけではない、こんな状態では、この国が真に持続可能な国となるための三種の指導原理だって実現されるはずはない。なぜならば、それらの原理を国内に実現させるということは、それは、この国の明治期以来、中央政府の官僚たちによって作り上げられてきた公式の国策としての「殖産興業、「富国強兵」や、戦後の非公式の国策としての「果てしなき経済の成長」あるいは「果てしなき工業生産力の発展」を捨てさせることを意味するからであり、それはそのまま、各府省庁の官僚たちをして、その国策の中で巧妙に築きあげてきた専管産業界との持ちつ持たれつの関係の一つとしての「天下り」先を失うことになるだけではなく、天下りそのものが不可能となるし、また意味をなくすことをも意味するからである。

 こうして、これまでのことを振り返ってみれば一層はっきりするように、重要なことは、これまでのような轍を二度と踏まない国づくりを着実に進めてゆくためには、主権者意識を持ち、自身に忠実で、民主主義政治に覚醒した多くの国民が育つことと、真に愛国心と自国民に対する忠誠心に燃えた本物の政治家がより多く育つことなのである。今のような、政治家としての使命や役割すら知ろうともせず、というより、「政治とは何か」すら知ろうともせずに、自身の利益だけを考え、役人に依存しては政治家人生を歩もうとするだけの、自己に甘えきった税金泥棒としか言いようのない似非政治家では到底ダメで、そのような輩は存在するだけで税金の無駄遣いになるし、この国と国民の安全保障にとってはかえって有害無益でしかないということである。そのために私は、そのような似非政治家を必然的に生じさせてしまう現行の選挙制度小選挙区比例代表並立の制度)は根こそぎ廃止しなくてはダメだとして、このような制度にすれば国民の信託に応えられる本物の政治家を生み出し、また育てることもできるであろうと思われる全く新しい選挙制度をも提案してきた(第9章)。

 そして第3部では、以上のことを実現させるための具体的な方法と手順について述べている。

そこでも強調しておきたいことは、真に持続可能な国と国家を創建するには、国民にとっても、また政府にとっても、実際的にもまた究極的にも、「恣意性」つまり「気紛れ」を追放して、判断と行動の指針・規準あるいは原器ともなるべきものが不可欠であろうと思い、私の考える新憲法を提案してきたことである。現行日本国憲法は、法の運用者(=官僚)にとってあまりにもその恣意性を介入させることが容易なものであるというだけではなく、国民にとっても、それを日常の暮らしや生き方に生かすにはいくつかの解釈が成り立ってしまうもので、不都合だからである。

 そこで本章では、第2部での新選挙制度が成立したものとして、その新制度によって生み出され、育てられた本物の政治家たちによって、この日本が真に持続可能な国と生まれ変わり得るための、具体的な道筋と行程を考えてみようと思うのである。それは、第2部で考察してきた諸制度を実現した国家である。

 目指すは次のような国家だ。

国民的の圧倒的多数が、何より暮らしに「安心」と「希望」を見出せ、「明日」を信頼できる国だ。国民の大多数が、「生きるに値する」と実感できるような国である。当然そこでは、真実、誠実、勇気が人間として生きる上での最大の徳となり、対人間関係において思いやりや礼節が最重視にされ、国民一人ひとりが個人としての人権と尊厳が守られ、どんな時にも「生命・自由・財産」が中央と地方の政府によって最優先的に守られている国である。それだけに「嘘」をつくことは最も人の道に外れた行為とされる。なぜならば、嘘をつくことは、人と人とが、あるいは人間同士がそれまで努力して築き上げてきた成果や関係のすべてを一瞬にして台無しにしてしまう行動だからだ。

 心静かに振り返ってみよう。今のような、生きとし生きるものが生きられずに、絶滅種や絶滅危惧種が増える一方の自然にしてしまったのも、また、今のような、人間が人間らしく生きることを難しくさせ、自殺者が増える一方の社会にしてしまったのも、大元を辿れば、「競争」を前提とし、「倫理」や「道徳」を度外視して、「損得」を最大の判断基準として、利潤や収益を少しでも多く上げることを至上命題としては、自然をそのための手段とし、社会を、富む一方の富者と貧しくなる一方の貧者に二極化させてきた資本主義であり、またそれに拠るグローバル市場経済システムではなかったか。そこでは、「便利さ」や「快適さ」そして「物的豊かさ」ばかりがもてはやされ、「虚飾」や「見栄」や「外見」がそのものの価値を決め、人間の歴史において圧倒的長きにわたって人間を支えてきた自然観、世界観、宗教観は、その資本の論理の前に常に除け者にされてきたのではなかったか。

 こうなればもはや「資本主義」を止揚しなくてはならないのは必然であって、好む好まないの問題ではない。また、それと共に「民主主義」をも止揚しなくてはならない。なぜなら民主主義は、人間を生かしてくれている自然を構成する生命一般を念頭に置いた政治制度ではなく、あくまでも人間を中心に置いた政治制度だからだ。だから、もはや民主主義ではなく、人間をその一部として含む生命一般と人間との共生を念頭に置いた政治制度としての「生命主義」とするのも、もはや必然と言えるのではないか。そうしなくては人間はもはや真の意味で「存続」=「持続」できない状態に至っているのであるからだ。

16.5 私案としての新憲法「本文」—————————(その4)

16.5 私案としての新憲法「本文」—————(その4)

第十二章 財政制度

第百八a条 経費負担、財政援助、責任

①連邦および州は、この基本法に特別の定めのある場合を除き、その任務の遂行から生じる経費を、別々に負担する。

②州が連邦の委託によって行動するときには、それによって生ずる経費は連邦が負担する。

③金銭給付を伴い、かつ週によって施行された連邦法律は、その金銭給付の全部または一部を連邦が負担する旨を定めることができる。連邦がその経費の半分またはそれ以上を負担する旨を法律が定める時は、その法律は連邦の委託によって執行される。州が経費の四分の一またはそれ以上を負担する旨を法律が定めるときは、その法律には、連邦上院の同意を必要とする。

第百八b条 連邦による財政援助

①この基本法が連邦に立法権限を付与している限りにおいて、連邦は、州および地域連合体の

一経済全体の均衡が乱れるのを防ぐために必要な、または、

二連邦領土内における経済力の格差を調整するために必要な、または、

三自然環境整備を促進するために必要な、

特別に重要な投資のために、州に対する財政援助を行うことができる。

激甚自然災害の事例、もしくは国家の監査能力を超え国家の財政状況を著しく損なう想定外の緊急事態の事例では、連邦は、第一分にも関わらず、立法権限を有しない場合でも財政支援を行うことができる。

②詳細、特に援助の対象となる投資の種類についての最速は、連邦上院の同意を必要とする連邦法律で、または連邦予算法律に基づく行政協定で、これを定める。

この資金は時限的に与えるものとし、その利用はこれを定期的に審査するものとする。財政援助は、時の経過とともに年額が低下するように、これを構築するものとする。

連邦議会連邦政府および連邦上院に対しては、要求に応じて、措置の遂行および達成された改善につき、情報提供が行われるものとする。

第百九条 立法管轄

①連邦は、関税および財政専売について、専属的な立法権を有する。

②連邦は、その他の税収の全部または一部が連邦に帰属する場合には、これらの租税について、競合的立法権を有する。

③州は、地域的な消費税および奢侈税が連邦法律で定められた税と同種のものでない間、またその限りにおいて、これらの租税について立法を行う権限を有する。

また州は、不動産取得税の税率を定める権限を有する。

④税収の全部または一部が州または地域連合体に入る租税に関する連邦法律には、連邦上院の同意を必要とする。

百十条 財政高権、財政交付金

①次の各号に掲げる租税の収入は、連邦に帰属する。

一関税

二消費税

三道路貨物運送税、自動車税およびその他原動機付き交通手段に係る流通税

四資本取引勢、保険税および手形税

五一回的な財産家税、および負担調整を実施するために徴収される調整課税

所得税および法人税に対する付加税

②次の各号に掲げる租税の収入は、週に帰属する。

一、財産税

二、相続税

三、流通税

四、ビール税、その酒税

五、カジノ税

③その他は省略

第百十一a条 近距離旅客交通に対する州の取得分

 省略

第百十一b条 自動車税のための調整

 省略

第百十二条 地域的収入、州間の財政調整、連邦補充交付金

 省略

第百十三条 財務行政、財政裁判所

 省略

第百十四a条 連邦および州の財政運営

 省略

第百十四b条 財政非常事態の回避、財政安定化評議会

 財政非常事態を回避するために、連邦上院の同意を必要とする連邦法律は、次の各号に掲げる事項につき定めを置く。

一、共通の財政安定化評議会を通じた、連邦および週による財政運営の継続的な監視

二、財政非常事態の逼迫を確認するための前提および手続き

三、財政非常事態の回避に向けて財政再建計画を策定および実施するための原則、財政安定化評議会の決議やその基礎となる審議状況については、公表されなくてはならない。 

第百十五条 予算

①連邦のすべての歳入および歳出は、予算に計上するものとし、連邦企業および特別財産については、繰り入れまたは引き出しのみの計上を持って足りるものとする。

②予算は、一会計年度または複数の会計年度につき、各年度ごとに、最初の会計年度が始まる前に、予算法律でこれを確定する。予算法律は、予算案が部分によっては会計年度ごとに異なる軌間執行されることを、あらかじめ定めることができる。

③第二項第一文による法律案、並びに、予算法律の改正案および予算の修正案は、連邦上院に送付するのと同時に連邦議会に提出され、連邦上院は、6週間以内に、また、修正案については3週間以内に、その提出案に対する態度を決定する権限を有する。

④予算法律には、連邦の歳入および歳出、並びに当該予算法律の時限に関する規定のみをおくことができる。予算法律は、次の予算法律の交付を待って初めて、または、第百二十●条による受験があるときはこれより遅い時点で、効力を失うことを定めることができる。

第百十六条 緊急支出

①会計年度の終了までに、次年度の予算が法律によって確定されないときは、連邦政府は、当該法律が効力を発生するまで、次の目的のために必要な一切の支出を行う権限を有する。

ア 法律に基づく施設を維持し、および法律で定められた措置を実施すること。

イ 連邦の法的根拠を有する義務を履行すること

ウ 前年度の予算によってすでに承認を得た金額の範囲内で、建築、調達およびその他の給付を継続し、またはこれらの目的に対して補助を継続すること

② 特別の法律に基づく租税、公課その他の財源からの収入、または事業経営資金積立金が、第一項の支出を充足できないときに限り、連邦政府は財政運営に必要な資金を、前年度予算の最終総額の四分の位置を上限として、起債の方法によって調達することができる。

第百十七条 予算超過

予算の超過支出および予算外支出は、連邦財政大臣の同意を必要とする。この同意は、予見不可能かつ不可避の必要性がある場合に限り許される。詳細は連邦法律で、これを定めることができる。

第百十八条 支出増額法律と収入減少法律

連邦政府が提案した予算の支出を増額し、または新たな支出を含みもしくは将来新たな支出を生じさせる法律は、連邦政府の同意を必要とする。収入の減額を含み、または将来減額を生じさせる法律についても同様とする。連邦政府は、連邦議会がこのような法律について議決することを中止するように要求することができる。この場合、連邦政府は、6週間以内に、連邦議会に態度決定を送付しなければならない。

連邦政府は、連邦議会が法律を議決した後、4週間以内に、連邦議会が議決し直すことを要求することができる。

③法律が、第七十九条によって成立した場合は、連邦政府は、6週間以内にかつ事前に第一項第三文および第四文または第二項に夜手続きをとっていたときに限り、同意を拒否することができる。この期間の経過後は、同意は与えられたものとみなす。

第百十九条 会計監査、免責

連邦財政大臣は、連邦政府の責任を免除するために、すべての歳入および歳出ならびに資産及び負債についての決算書を、翌会計年度中に連邦議会および連邦上院に提出しなければならない。

②連邦会計検査院は、その構成員が裁判官的独立性を有し、決算、並びに予算執行および財政運営の経済性および秩序適合性を審査する。連邦会計検査院は、連邦政府のほか、毎年直接に、連邦議会および連邦上院に報告しなければならない。連邦会計検査院の権限に関するその他の事項は、連邦法律でこれを定める。

第百二十条 信用調達、担保引受

①将来の会計年度における支出をもたらす可能性のある信用調達、並びに人的及び物的保証その他の保証の引受は、その価額が特定されるかまたは特定されうるような、連邦法律による授権を必要とする。記載による収入は、予算中に見積もられている投資支出の総額を超えてはならず、ただし、経済全体の均衡を乱すことを防止するためのものは、その例外とする。詳細は、連邦法律で、これを定める。

②収入及び支出は、原則として信用調達からの収入によることなく、均衡させなくてはならない。この原則に適合すると言えるのは、名目国内総生産との比率が100分の0.35を超えない場合である。加えて、通常の状態から逸脱して景気が推移する場合、その財政への影響は、公共及び不況いずれの場合においても均等に考慮されなくてはならない。本項第一文から第三文までの原則によって認められる信用調達の上限を、債務負担行為が事実において逸脱した場合、それは要監査項目として勘定科目上に記録され、名目国内総生産との比率が100分の1.5の限界値を超える負担については、景気の状況に応じて解消しなければならない。詳細、特に金融取引に関する収支決済、並びに景気動向を考慮しつつ会計基準に基づき年度ごとに行われる実質債務残高の上限規制の手続き、通常の限度から事実において逸脱した債務負担行為の監査及び財政調整についての催促は、連邦法律が、これを定める。激甚災害もしくは国家の監査能力を超え国家の財政状況を著しく毀損する想定外の非常事態の場合、かかる信用調達の上限は、連邦議会議員の過半数の議決に基づき、超過することができる。当該議決には、弁済計画が伴わなくてはならない。本条第六文によって負担された債務の償還は、相当の期間内に行わなくてはならない。

 

第十二a章 防衛出動事態

第百二十a条 防衛出動事態とその確定

①連邦領土が武力によって攻撃され、またはかかる攻撃の直接の脅威が損することの確定(防衛出動事態)は、連邦議会が、連邦上院の同意を得て、これを行う。この確定は、連邦政府の申し立てにより行われ、その際、投票数の三分の二の多数で、かつ、少なくとも連邦議会議員の過半数を必要とする。

②事態が即時の行動を不可避的に要求する状況で、かつ、連邦議会が適時に集会するには克服しがたい障害があり、または連邦議会が議決不能のときは、合同委員会が、投票数の三分の二の多数で、かつ、少なくとも委員数の過半数を持って、この確定を行う。

③確定は、連邦大統領により、第八十二条に従って連邦官報で公布される。これが適時に可能でないときは、他の方法によって公布されるが、事態がそれを許すに至った時には、速やかに連邦官報で追完しなければならない。

④連邦領土が武力によって攻撃され、かつ、権限を有する連邦機関が第一項第一文による確定を即時に行うことができる状況にないときは、この確定は行われたものをみなされ、かつ、攻撃が開始された時点で公布されたものとみなされる。連邦大統領は、事態がそれを許すに至ったときには、速やかにその時点を周知せしめる。

⑤防衛出動事態の確定が公布され、かつ連邦領土が武力で攻撃されたとき連邦大統領は、連邦議会の同意を得て、防衛出動事態の存在についての国際法上の宣言を発することができる。第二項の前提を充たす場合は、合同委員会が、連邦議会に代わるものとする。

第百二十b条 命令権の移行

防衛出動事態の公布とともに、軍隊に対する指揮命令権は、連邦宰相に移行する。

第百二十c条 立法及び行政権限、財政制度

①連邦は、防衛出動事態に対しては、州の立法管轄に属する分野においても、競合的立法権を有する。これらの法律は、連邦上院の同意を必要とする。

②防衛出動事態の間、事態が必要とする限りにおいて、連邦は、連邦法律により、防衛出動事態に対して、

一 公用収容の際には、第二十六条第三項第二文にはよらずに、保障につき暫定的な定めをおくことができる。

二 自由の剥奪について、裁判官が平時に適用される期間内に活動することができなかった場合のために、第百八条第二項第三文及び第三項第一分とは異なる期間を、しかし四日間を上限として、定めることができる。

③連邦は、防衛出動事態において、現在の股は直前に差し迫っている攻撃を防御するために必要な限りで、連邦上院の同意を必要とする連邦法律により、連邦および州の行政および財政制度について、第九章、第九章aおよび第十章とは異なる定めをおくことができるが、この場合、州、地域連合体乗せかつ能力を、特に財政的な観点からも、維持するものとする。

④第一項および第二項第一号による連邦法律は、その執行の準備のためには、防衛出動事態の発生前の時点において、すでに適用することが許される。

第百二十d条 防衛出動事態における立法手続

①連邦の立法に関して、防衛出動事態においては、これまでの条文(    )によらずに、同条第二項および第三項の規定を適用する。

②四球と表示された連邦政府の法律案は、連邦議会に提出されるのと同時に連邦上院にこれを送付するものとする。連邦議会と連邦上院は、遅滞なく、法律案を合同で審議する。法律が連邦上院の同意を必要とする限り、その法律の成立には、その投票の過半数による同意を必要とする。詳細は、連邦議会で議決されかつ連邦上院の同意を必要とする擬似規則が、これを定める。

③法律の交付については、第百二十四a条第三項第二文を準用する。

第百二十e条 連邦議会および連邦上院の代行機関

①合同委員会が、防衛出動事態において、投票数の三分の二の多数、少なくとも委員数の過半数により、連邦議会の適時の集会に克服しがたい障害があり、または連邦議会が議決不能であることを確定した時は、合同委員会は、連邦議会および連邦上院の地位を有し、かつ、その諸権利を一体として行使する。

②合同委員会による法律によって基本を改正し、基本法の全部もしくは一部を失効させ、またはその適用を停止することは、許されない。

第百二十f条 連邦政府の権限拡大

連邦政府は、防衛出動事態において、事態がそれを必要とする限りで、

一 連邦国境警備隊を連邦の全領土に出動させることができる。

二 連邦行政の他、州政府に対して、さらに、連邦政府が緊急と認める時は州の諸官庁に対しても、指示を与え、かつ、この権限を、連邦政府によって指定される州政府の構成員に委譲することができる。

連邦議会、連邦上院および合同委員会は、第一項によって取られた措置につき、遅滞なく報告を受けるものとする。

第百二十g条 連邦憲法裁判所の存続と作用

連邦憲法裁判所およびその裁判官の憲法上の地位、または憲法上の任務の遂行は、これを侵害してはならない。連邦憲法裁判所法を合同委員会の法律によって改正することが許されるのは、それが、連邦憲法裁判所の見解によっても、連邦憲法裁判所の作用能力の維持のために必要である、とされる場合に限られる。連邦憲法裁判所は、かかる法律が発布されるまで、裁判所の活動能力の維持のために必要な措置をとることができる。連邦憲法裁判所は、出席裁判官の過半数をもって、第二文および第三文による決定を行う。

第百二十h条 被選期および任期の延長

①防衛出動事態厨二満了する連邦議会または州議会の被選期は、防衛出動事態の終了後、6ヶ月で終了する。防衛出動事態厨二満了する連邦大統領の任期、およびその職務が任期満了前に終了した場合の連邦上院議長による職務の代行は、防衛出動自体の終了後、9ヶ月で終了する。防衛出動事態中に満了する連邦憲法裁判所の構成員の任期は、防衛出動事態終了後、6ヶ月で終了する。

②合同委員会が連邦宰相を新たに選出する必要が生じたときは、合同委員会は、その委員数の過半数を持って新たな宰相を選出するものとし、この場合は、連邦大統領が合同委員会に提案を行う。合同委員会は、委員数の三分の二の多数で後任を選出することによってのみ、連邦宰相に対し不信任を表明することができる。

③防衛出動事態の継続中は、連邦議会の解散は、これを行わない。

第百二十i条 州政府の特別権限

①管轄を有する連邦機関が、危険を防止するための必要な措置をとることができず、かつ、状況が不可避的に要求するところにより、連邦領土の個別部分において即時の自主的行動が求められるときは、州政府または州政府の指定する官庁もしくは専門員が、その管轄区域において、第百二十四f条第一項の意味での措置をとる権限を有する。

②第一項による措置は、連邦政府により、州官庁及び連邦下級官庁との関係では週の総理大臣によっても、いつでも廃止することができる。

第百二十k条 規範の通用性

①第百二十四c条、第百二十四条e条及び第百二十四g条による法律、並びにこれらの法律の根拠に基づいて発布された法規命令は、それらが適用されている期間中は、これに反する法の適用を排除する。第百二十四c条、第百二十四e条、および第百二十四g条の根拠に基づいて、従前に発布された法律については、この限りではない。

②合同委員会が議決した法律およびこれらの法律に基づいて発布された法規命令は、防衛出動事態の終了後、遅くとも6ヶ月後には失効する。

第九省および第十二章の条文とは異なる定めを含む法律は、遅くとも、防衛出動事態の終了に引き続く二度目の会計年度の年度末までしか、通用しない。かかる法律は防衛出動事態の終了後、連邦上院の同意を得た連邦法律によって改正され、第九章a章および第十二章に基づく規定に移行させることができる。

第百二十l条 合同委員会による法律の廃止、防衛出動事態の終了

連邦議会は、何時でも連邦上院の同意を得て、合同委員会の法律を廃止することができる。連邦上院は、連邦議会がこのことにつき議決を行うように、要求することができる。合同委員会または連邦政府が危険防止のためにとったその他の措置は、連邦議会および連邦上院による廃止のための議決が行われた場合には、廃止しなければならない。

連邦議会は、何時でも、連邦上院の同意を得て、連邦大統領が公布すべき議決により、防衛出動事態の終了を宣言することができる。連邦上院は、連邦議会がこのことにつき議決を行うように、要求することができる。防衛出動事態は、これを確定する前提がもはや失われたときには、遅滞なく、その終了を宣言しなければならない。

講和条約の締結については、連邦法律でこれを決定する。

 

第十三章 軍隊としての自衛隊

第百二十一条 軍隊としての自衛隊の位置付けと役割

自衛隊は日本国の正式の軍隊である。

自衛隊は自国の領土と国民を他国の武力による侵略から守るためと、大災害時あるいは大惨事の生じた際の国民の救助・救出のためにのみ行動し、治安のためには行動しない。

③軍隊である自衛隊を統制(シビリアンコントロール)するのは文民である首相および閣僚である。

自衛隊を統制する文民は、中央と地方の別なく、国土と国民の安全保障のため、時の情勢とその変化を注視し、戦略の専門家の知恵を借りながら不断に最新の実行可能な戦略を練り、用意していなくてはならない。その戦略の中には、軍隊の動かし方も、兵站も、国民からの協力の得方等も含まれる。

 

第十四章 国家反逆罪、内乱罪外患誘致罪

第百二十二条

① 日本連邦に対する忠誠義務違反としての反逆罪、内乱罪外患誘致罪、外患援助罪を構成するのは次の場合である。そしてその行為の結果の発効は認められない。

一 国家に対する忠誠義務違反としての反逆罪。国家の基本的な統治機構を国の内部から暴力的に変革・破壊する内乱罪。国の外部から暴力的変革・破壊を行う外患罪

 より正確に言えば、反逆罪とは、国民が、日本連邦に対して戦争を起こす行為のこと。内乱罪とは、国民が国家の統治機構を破壊し、または国の領土において国権を排除して権力を行使し、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的とした行為のことである。外患罪とは、外国の政府・軍隊などの公的機関と通謀して、日本連邦に対して武力を行使させ、または、日本連邦に対して外国から武力の行使があった時にこれに加担するなどして、日本連邦の敵に敵を利する援助および便宜を与える、国民の自国に対する裏切り行為

二 非合法的手段に訴えて政府を転覆させようとする行為あるいは転覆させた行為、または非合法的手段に訴えて政治権力を奪う行為

三 日本連邦憲法を連邦憲法が定める手続きに従って変えるのではなく、解釈またはその他の理由によって変えようとして、日本連邦憲法体制という法秩序を覆そうとする行為

四 日本連邦憲法に違反する連邦法律の採択あるいは成立を強行し、かつそれを発効させることにより、日本連邦憲法体制を撹乱あるいは変更させようとする、あるいは変更させた行為

② これらの罪については、いずれも国と国民の安全に対する重大な脅威を生じさせることから、連邦議会において刑法を厳格に定める。

③ただし、これらの罪を理由とする権利の剥奪は、この罪に関わった当事者のみに限定され、その親族や子孫に及んではならない。

 

第十五章 憲法の修正および改正

第百二十三条 憲法の修正および改正の発議

  省略

第百二十四条 憲法の修正および改正の手続き

  省略

第百二十五条 議会による憲法改正手続き

  省略

第百二十六条 連邦構成主体の変動手続き・名称変更

  省略

第十六章 終末規定

第百二十三条 基本法の失効

 この基本法は全日本国民に対して適用されるが、日本国民が自由な意思に基づく決断で決議した憲法が施行される日に、その効力を失う。

16.5 私案としての新憲法「本文」—————————(その3)

 

16.5 私案としての新憲法「本文」————(その3)

第六章 連邦議会

第六十八条 連邦議会

 連邦議会————日本連邦の議会————は、日本連邦の立法機関であり、最高の権力機関である。

第六十九条 二院制 

 第1項 連邦議会は上院と下院とからなる。

第2項 上院は、日本連邦の各構成主体からの二人の代表者によって構成される。その二人とは、国家権力の立法機関と国家権力の執行機関からの二人である。

第3項 下院は連邦の各構成主体から選ばれた二人の議員からなる。

第七十条 任期

 第1項 下院の議員の任期は5年である。

第2項 乗員の形成手続きおよび下院の議員の選挙手続きは、連邦の法律が定める。

第七十一条  議員の選挙権・被選挙権

 第1項 下院の議員は21歳に達し、なおかつ選挙権を有する日本連邦市民から選ばれる。

第2項 上院の構成員と下院の議員を兼務することはできない。また、下院の議員は、その他の国家権力機関および地方自治機関の代表機関の議員を兼務できない。

第3項 下院の議員は常勤職として働く。下院の議員は国家の公務に就くことはできず、教育、学術およびその他の創造的活動を除き、その他の有給の活動に従事してはならない。

第七十二条 議員の不逮捕特権

 第1項 上院の構成員および下院の議員は、職務の全任期中、不逮捕特権を有する。上院の構成員および下院の議員は、現行犯逮捕を除いて逮捕、交流、拘置されず、また他人の安全の保障のために連邦の法律が定める場合を除いて、身体を検査されない。

第2項 不逮捕特権の剥奪に関する問題は、日本連邦検事総長の提案に基づき、連邦議会の該当する院、すなわち上院か下院によって決定される。

第七十三条 両院の会期

 第1項 連邦議会は常設の機関である。

第2項 下院は、選挙後30日目に第一回の会議が招集される。しかし、日本連邦大統領は、この期日よりも早く下院の会議を招集することができる。

第3項 下院の第一回会議は、当選回数ではなく最長老の議員が開会を告げる。

第4項 新しい会期の下院の業務の開始とともに、旧会期の下院の権限は終了する。

第七十四条 両院の運営 (省略)

第七十五条 院内の秩序 (省略)

第七十六条 上院の管轄事項

 第1項 上院の管轄には以下の事項が属する。

一 日本連邦構成主体間の境界の変更を検討し裁定を下す。

二 戒厳状態の導入に関する日本連邦大統領令を承認する。

三 非常事態の導入に関する日本連邦大統領令を承認する。

四 日本連邦の国外での日本連邦軍の使用の可否に関する問題を決定する。

五 日本連邦大統領の選挙を公示する。

六 日本連邦大統領を罷免する。

七 日本連邦憲法裁判所、日本連邦最高裁判所、日本連邦最高仲裁裁判所の裁判官を任命する。

八 日本連邦検事総長を任命し、かつ解任する。

九 会計検査院の副長官および会計検査院の検査官の半数を任命し、かつ解任する。

第2項 上院は日本連邦憲法によって自らの管轄とされている問題について決定する。

第3項  上院の決定は、日本連邦憲法が別の採択手続きを定めていない限り、上院構成員総数の過半数によって採択される。

第七十七条 下院の管轄事項

 第1項 下院の管轄には以下の事項が属する。

一 日本連邦大統領に日本連邦首相の任命の同意を与える。

二 日本連邦政府の信任に関する問題を決定する。

三 下院によって提議された問題を含む日本連邦政府の活動に関する年次活動報告を公聴する。

四 日本連邦中央銀行総裁を任命し、かつ解任する。

五 会計検査院の長官および会計検査院の検査官の半数を任命し、かつ解任する。

六 連邦の憲法的法律に従って人権オンブズを任命し、かつ解任する。

七 大赦を告示する。

八 日本連邦大統領解任のための弾劾を発議する。

第2項 下院は、日本連邦憲法によって、自らの管轄とされている問題について決定する。

第3項 下院の決定は、日本連邦憲法、日本連邦憲法が別の採択手続きを定めていない限り、下院の議員総数の過半数によって採択される。

第七十八条 立法発議権

 第1項 立法発議権は、日本連邦大統領、上院、上院の構成員、下院の議員、日本連邦政府、日本連邦構成主体の立法機関(代表機関)に属する。また、日本連邦憲法裁判所、日本連邦最高裁判所および日本連邦最高仲裁裁判所にも、それぞれの管轄事項の諸問題に関して、立法発議権が属する。

第2項 法案は下院に提出される。

第3項 税の導入または廃止、税納付の免除、国債の発行、国家の財政上の債務の変更に関する法案、その他連邦予算からの支出を規定する法案は、日本連邦政府の決定がある場合のみ、これを下院に提出することができる。

第七十九条 連邦の法律採択手続き

 第1項 連邦の法律は下院によって採択される。

第2項 連邦の法律は、日本連邦憲法別の定めをしていない限り、下院の議員総数の過半数によって採択される。

第3項 下院によって採択された連邦の法律は五日以内に上院の審議に付されなくてはならない。

第4項 連邦の法律は、上院の構成員総数の過半数がこれに賛成した場合、または14日を経過しても上院がこれを審議し終わらなかった場合、上院によって可決されたものとみなされる。

上院が連邦の法律を否決した場合には、両院の間で生じた見解の不一致を克服するための両院合同委員会を設立し、その後の連邦の法律が再度下院の審議に付されなくてはならない。

第5項 下院が上院の決定に同意しない場合、連邦の法律は、下院の議員総数の三分の二以上が再度賛成した場合、採択されたものとみなされる。

第八十条 上院の義務的法案審議事項

 下院によって採択された以下の問題に関する連邦の法律は、必ず上院の審議に付されなくてはならない。

一 連邦予算

二 連邦の租税および手数料

三 財政、為替、金融、関税、通貨発行

四 日本連邦が締結する国際条約の批准および破棄

五 日本連邦の国境の地位および防衛

六 宣戦布告および講和

第八十一条 連邦の法律の公布手続き

 第1項 採択された連邦の法律は、署名および甲府のために五日以内に日本連邦大統領に送付される。

第2項 日本連邦大統領は、受理から14日以内に連邦の法律に署名し、これを公布する。

第3項 日本連邦大統領が、連邦の法律を受理してから14日以内に連邦の法律への署名を拒否した場合、下院および上院は、日本連邦憲法が定める手続きに従って再度当該法律を審議する。再度の審議において、連邦の法律が上院の構成員総数および下院の義委員総数のそれぞれの三分の二以上の多数によって修正を経ずに可決された場合、日本連邦大統領は七日以内に連邦の法律に署名をし、これを公布しなければならない。

第八十二条 連邦の憲法的法律採択手続き

 第1項 連邦の憲法的法律は、日本連邦憲法が定める諸問題に関して採択される。

第2項 連邦の憲法的法律は、上院の構成員総数の四分の三以上及び下院の議員総数の三分の二以上の賛成によって可決された場合、採択されたものとみなされる。採択された連邦の憲法的法律は、十四日以内に日本連邦大統領が署名し、これを公布しなければならない。

第八十三条 下院の解散

 第1項 日本連邦大統領は、日本連邦憲法第〇〇および第□□に従い、会員を解散することができる。

第2項 下院を解散した場合、日本連邦大統領は、解散の時から四ヶ月以内に新たに選出される議員を招集できるように下院の選挙日を指定する。

第3項 下院の選挙から一年以内は、日本連邦憲法第□□に依拠した下院を解散することはできない。

第4項 下院が日本連邦大統領の弾劾の発議をしてから上院がその弾劾について然るべく決定をするまで、下院を解散することはできない。

第5項 日本連邦の全領土で戒厳状態または非常事態が導入されている間、ならびに日本連邦大統領の任期満了前の六ヶ月間、下院を解散することはできない。

 

第七章 日本連邦政府

第八十四条 連邦政府

 第1項 日本連邦の執行権力は、日本連邦政府が執行する。

 第2項 日本連邦政府は、日本連邦の首相、副主将および大臣によって構成される。

第八十五条 連邦政府の任命

 第1項 日本連邦政府の首相は、下院の承認を得て、日本連邦大統領によって任命される。

 第2項 日本連邦首相の候補者の提案は、新たに選出された日本連邦大統領が職務を開始した時、もしくは日本連邦政府が総辞職をした時から二週間以内に、または下院が候補者を否決した日から一週間以内に、なされる。

 第3項 下院は、日本連邦大統領が日本連邦首相を提案した日から一週間以内に、候補者について審議する。

 第4項 下院が首相候補者を三度否決した場合、日本連邦大統領は、日本連邦首相を任命し、なおかつ下院を解散し、新たな下院の選挙を公示する。

第八十六条 首相の大臣候補提案権

 第1項 日本連邦首相は、任命されてから一週間以内に連邦執行権力機関の構成について、日本連邦大統領に提案する。

 第2項 日本連邦首相は、日本連邦副首相および連邦の大臣の候補者を日本連邦大統領に提案する。

第八十七条 連邦首相の職務

 日本連邦首相は、日本連邦憲法、連邦の法律および日本連邦大統領令に従って、日本連邦政府の活動の基本方針を決定し、日本連邦政府の業務を組織する。

第八十八条 連邦政府の管轄事項

 第1項 日本連邦政府は以下の事項をなす。

 一 連邦予算を作成し、それを下院に提出し、かつ連邦の予算の執行を保障する。

下院に連邦の予算の執行に関する決算報告書を提出する。下院によって提議された問題を含む連邦政府の活動に関する年次活動報告書を、下院に提出する。

 二 日本連邦における財政、金融および通貨に関する統一的な政策の実行を保障する。 

 三 日本連邦における文化、学術、教育、厚生、社会保障、環境に関する統一的な国家政策の実行を保障する。

 四 連邦の財産を管理する。

 五 国防、国家の安全保障、日本連邦の対外政策に関する措置をとる。

 六 合法性の保証、市民の権利と自由の保障、財産および社会秩序の保護、犯罪対策に関する措置をとる。

 七 日本連邦憲法、連邦の法律、日本連邦大統領令によって日本連邦政府に委任されたその他の権限を行使する。

 第2項 日本連邦政府の活動の手続きは、連邦の憲法的法律によって決定される。

第八十九条 連邦政府の決定および処分 (省略)

第九十条 連邦政府の権限返上 

 新たに占拠された日本連邦大統領に対して、日本連邦政府は、その権限を返上する。

第九十一条 連邦政府の総辞職・不信任手続き

 第1項 日本連邦政府は総辞職することができ、それについて日本連邦大統領は裁可または却下する。

 第2項 日本連邦大統領半日本連邦政府の総辞職に関する決定をなしうる。

 第3項 下院は、日本連邦政府への不信任を表明することができる。日本連邦政府への不信任に関する決定は、下院の議員総数の過半数の賛成によってなされる。下院による日本連邦政府不信任の表明の後、日本連邦大統領は日本連邦政府の総辞職を公示するか、または下院の決定に同意しない権限を有する。下院が三ヶ月以内に再度日本連邦政府への不信任の表明をした場合、日本連邦大統領は七日以内に日本連邦政府の総辞職を公示するか、または下院を解散する。

 第4項 日本連邦首相は、下院に日本連邦政府への信任の是非を問うことができる。下院んが信任を拒否した場合、日本連邦大統領は、七日以内に日本連邦政府の総辞職に関する決定をするか、または下院の解散および新たな選挙の公示に関する決定をする。

 第5項 日本連邦政府の総辞職または権限の返上が行われた場合、日本連邦政府は、新たな日本連邦政府が編成されるまで、日本連邦大統領の委任によって活動を継続する。

 

第八章 連邦の司法権

第九十二条 司法権

 第1項 日本連邦における裁判は、裁判所のみによって行われる。

第2項 司法権は、憲法裁判、民事裁判、行政裁判、および刑事裁判によって直接行われる。

第3項 日本連邦の裁判システムは、日本連邦憲法および連邦の憲法的法律が定める。

非常裁判所の設置は認めない。

第九十三条 裁判官の資格

裁判官になることができるのは、法学の高等教育を終了し、なおかつ法律実務色に5年以上従事したことのある25歳以上の日本連邦市民である。

日本連邦の裁判所の裁判官になる追加的資格要件および選任のされ方は、連邦の法律によって定める。

第九十四条 裁判官の独立、法令の審査

 第1項 裁判官は独立であり、日本連邦憲法および連邦の法律にのみ従う。

 第2項 裁判官は事件の審理の際に、国家機関またはその他の機関の法令がほうりtにてきごうしていないことを確認した場合、法律にもとづいてその決定路する。

第九十五条 裁判官の地位保障

 第1項 裁判官は免職されない。

 第2項 裁判官の権限は、連邦の法律が定める手続きおよび事由によってのみ、停止または休止することができる。

第九十六条 裁判官の不逮捕特権

 第1項 裁判官は不逮捕特権を有する。

 第2項 裁判官は、連邦の法律が定める手続きによらなければ、刑事責任を追及されない。

第九十七条 審理の公開・当事者主義・陪審

 第1項 すべての裁判所において事件の審理は公開である。秘密法廷における事件の審理は、連邦の法律が定める場合のみ許容される。

 第2項  裁判所における刑事事件の欠席裁判は、連邦の法律が定める場合を除き、認められない。

 第3項 訴訟手続きは、当事者主義および当事者の平等にもとづいて行われる。

 第4項 連邦の法律が定める場合、訴訟手続きは陪審員の参加の下に行われる。

第九十八条 裁判所の予算

裁判所の予算は、連邦予算からのみ支出され、その予算は連邦の法律に従って司法権を完全かつ独立に行使できるように、保障しなければならない。

第九十九条 連邦憲法裁判所

 第1項 日本連邦憲法裁判所は九人の裁判官からなる

 第2項 日本連邦憲法裁判所は、日本連邦大統領、上院、下院、上院の議員または下院の議員の各五分の一、日本連邦政府、日本連邦最高裁判所および日本連邦最高仲裁裁判所、日本連邦構成主体の立法権力機関および執行権力機関の要求にもとづき、日本連邦憲法との適合性に関する以下の件を解決する。

一 連邦の法律および日本連邦大統領、上院、下院、日本連邦政府の規範的法令の日本連邦憲法との適合性

二 日本連邦の国家権力機関の管轄、および日本連邦の国家権力機関と日本連邦構成主体の国家権力機関との共同管轄事項に関連する諸問題について交付された州の憲法、地域連合体の憲章、法律およびその他の規範的法令の日本連邦憲法との適合性

三 日本連邦の国家権力機関と日本連邦構成主体の国家権力機関との条約、および日本連邦構成主体の国家権力機関どうしの条約の日本連邦憲法との適合性

四 日本連邦が締結した効力が発生する前の国際条約と日本連邦憲法との適合性

 第3項 日本連邦憲法裁判所は、以下の権限紛争を解決する。

一 連邦の国家権力機関どうしの権限紛争

二 日本連邦の国家権力機関と日本連邦構成主体の国家権力機関との権限紛争

三 複数の日本連邦構成主体の最高国家権力機関どうしの権限紛争

第4項 日本連邦憲法裁判所は、国民の憲法上の権利および自由の侵害に対する不服申し立てならびに裁判所の要求にもとづき、連邦の法律が定める手続きにしたがって、具体的な事件において適用された、または適用すべき法律の憲法適合性を審査する。

第5項 日本連邦憲法裁判所は、日本連邦大統領、上院、下院、日本連邦政府、日本連邦構成主体の立法権力機関の要求にもとづき、日本連邦憲法の解釈を行う。

第6項 違憲と認定された法令またはその個別の規定は効力失う。日本連邦憲法に適合しない国際条約は発効せず、これを適用しない。

第7項 日本連邦憲法裁判所は、上院の要求にもとづき、国家反逆またはその他の重大な犯罪の嫌疑で、発議された日本連邦大統領に対する弾劾が、所定の手続きを遵守しているか否かについて判断する。

第百条 連邦最高裁判所

日本連邦最高裁判所は、一般管轄権を有する裁判所に服す民事、刑事、行政およびその他の事件に関する最高位の裁判所であり、連邦の法律が定める手続きにしたがって、それらの裁判所の活動に対する監督を行い、かつ裁判実務の諸問題に関する解説を与える。

第百一条 連邦最高仲裁裁判所

日本連邦最高仲裁裁判所は、仲裁裁判所によって審理される経済紛争およびその他の事件の解決に関する最高位の裁判所であり、連邦の法律が定める手続きにしたがって、仲裁裁判所の活動の監督を行い、かつ裁判実務の諸問題に関する解説を与える。

第百二条 裁判官の任命手続き

 第1項 日本連邦憲法裁判所、日本連邦最高裁判所、日本連邦最高仲裁裁判所の裁判官は、国民会議の提案にもとづき、連邦議会の上院によって任命される。

 第2項 その他の日本連邦の裁判所の裁判官は、連邦の法律が定める手続きにしたがって、連邦議会の上院によって任命される。

 第3項 日本連邦憲法裁判所、日本連邦最高裁判所、日本連邦最高仲裁裁判所およびその他の連邦の裁判所の権限および活動の手続きは、連邦の憲法的法律が定める。

第百三条 検察

 第1項 日本連邦検事総長は、国民議会の提案にもとづき、連邦議会の上院によって任命される。

 第2項 日本連邦構成主体の検察官は、日本連邦構成主体の同意にもとづき、日本連邦検事総長によって任命される。

 第3項 その他の検察官は、日本連邦検事総長によって任命される。

 第4項 日本連邦の検察機関の権限、組織および活動手続きは、連邦の法律が定める。

 

第九章 地方自治

第百四条 地方自治の一般原則

第1項 日本連邦における地方自治は、住民による地方固有の問題の自主的決定、ならびに自治体の所有する財産の占有、利用および処分を保障する。

第2項 地方自治は、住民投票、選挙、その他の直接の意思表明の方法を通じて、または選挙およびその他の方法によって形成された地方自治機関を通じて、住民によって行使される。

第百五条 地方自治の単位

第1項 地方自治は、歴史的および地域的伝統を考慮して、都市および農村の居住地ならびにその他の地域において実施される。地方自治機関の構造は、住民が自主的に決定する。

第2項 地方自治が行使されている地域の境界変更は、当該領土の住民の意見を考慮して認められる。

第百六条 地方自治機関の権限

第1項 地方自治機関は、自主的に自治体財産を管理し、地方自治体の予算を編成し、承認しかつ執行し、地方税および手数料を定め、社会秩序を維持し、なおかつ地方固有のその他の問題を解決する。

第2項 日本連邦における地方自治は、住民による地方固有の問題の自主的決定ないしは解決のための計画権限および自主財源確保の権限を保障する。

第3項 地方自治機関は、法律にもとづいて個別の国家的権限を行使することができ、その際、当該権限の行使に必要な物資および資金が交付される。それらの権限の行使は、国家の監督下に置かれる。

第百七条 地方自治の保護

日本連邦における地方自治は、裁判による保護を受ける権利ならびに国家権力機関の決定による追加的支出を通じた補償を受ける権利を享受する。日本連邦憲法および連邦の法律によって定められた地方自治の権利の制限は禁止される。

16.5 私案としての新憲法の「本文」—————————(その2)

16.5 私案としての新憲法「本文」————(その2)

第三章 天皇の地位と役割

 第三十三条 天皇は、立憲共和制の下での憲法の制約の範囲内でのみ機能する国王である。

 第三十四条 王位は世襲制に拠る。

 第三十五条 国王の国事に関するすべての行為には、大統領府の助言と承認を必要とし、大統領府がその責任を追う。

 第三十六条 国王は、この憲法が定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない。

 第三十七条 国王は、国民が直接選挙で選んだ大統領を任命する。

 第三十八条 国王は、大統領府の助言と承認に基づき、国民のために国事に関する次の行為を行う。

一 改正憲法、成立した法律および締結された条約を公布する。

二 連邦議会を召集する。

 国民議会を招集する。

四 連邦議員の総選挙の施行を公示する。

五 国務大臣および法律の定めるその他の官吏の任免ならびに全権委任状および大使と公使の信任状を認証する。

六 大赦、特赦、減刑、刑の執行免除および復権を認証する。

七 栄典を授与する。

八 批准書および法律の定めるその他の外交文書を認証する。

九 外国の大使および公使を接受する。

十 国家的儀式を行う。

 

第四章 連邦制度

 第三十九条 連邦構成主体

第1項 日本連邦には次の連邦構成主体が存する。

州と地域連合体である。

第2項 日本連邦への加入および日本連邦を構成する新規構成主体の形成は、連邦の憲法的法律が定める手続きによって実施される。

 第四十条 連邦構成主体の法的地位および権限

第1項 州の地位は、日本連邦憲法が定める。

第2項 地域連合体の地位は、日本連邦憲法および該当するそれぞれの州の憲法が定める。

第3項 日本連邦構成主体の地位は、連邦の憲法的法律に従って日本連邦と日本連邦構成主体との合意によって変更することができる。

 第四十一条 日本連邦の領土

第1項 日本連邦の領土は、日本連邦構成主体の領土、領海ならびに領空を含む。

第2項 日本連邦は、連邦の法律および国際法の規範が定める手続きに従って、日本連邦の大陸棚および排他的経済水域に対する主権を有し、かつ管轄権を行使する。

第3項 日本連邦構成主体の境界は、相互の同意に従って変更することができる。

 第四十二条 諸言語の法的地位

第1項 日本連邦の母語は、その全土において日本語である。

第2項 しかし日本連邦は、そのすべての諸民族および諸人種に対して、そのそれぞれの言語を維持し、学習し、発展させるための条件を創出する権利を保障する。

 第四十三条 先住少数民族の権利

日本連邦は、国際法で一般に認められた原則と規範および日本連邦の締結する国際条約に従って、先住少数民族の権利を保障する。

 第四十四条 国旗・国章・国歌・首都

第1項 日本連邦の国旗、国章および国歌、それらの記述ならびに公的使用の手続きは、連邦の憲法的法律が定める。

第2項 日本連邦の首都は東京である。首都の地位は、連邦の法律が定める。

 第四十五条 日本連邦の管轄事項

日本連邦の管轄には以下の事項が含まれる。

一 日本連邦憲法および連邦の法律の採択ならびに改正、それらの遵守の監督

二 日本連邦の連邦制度および領域

三 国民の権利の調整ならびに保護/日本連邦の国籍/民族的少数者の権利の調整および保護

四 連邦の立法機関、執行機関および司法機関の体系ならびにそれらの組織および活動の手続きの判定/連邦の国家としての権力機関の編制

五 連邦の国有財産およびその管理

六 日本連邦の国家的、経済的、環境的、社会的、文化的および国家的な発展の諸分野における連邦政策の原則の制定および連邦プログラム

七 統一的な市場の法的基礎の確立/財政、為替、金融、関税、通貨発行、価格政策の原則/連邦銀行を含む連邦の経済的業務

八 連邦予算、連邦の租税および手数料/地域の発展に関する連邦基金

九 連邦のエネルギーシステム、核エネルギー、放射性物質/連邦の運輸、交通、情報および通信/宇宙における事業

十 日本連邦の対外政策および国際関係、日本連邦の締結する国際条約/宣戦布告および講和の諸問題

十一 日本連邦の対外経済関係

十二 国防および安全保障/軍需産業/武器、弾薬、軍事技術およびその他の軍事物資の売買手続きの決定/毒物、麻酔剤の生産およびそれらの使用手続き

十三 日本連邦の国境、領海、領空、排他的経済水域および大陸棚の地位の決定と防衛

十四 裁判制度/検察/刑事、刑事訴訟および刑の執行に関する立法/大赦および特赦/民事、民事訴訟および仲裁訴訟に関する立法/知的財産の法的規制

十五 連邦抵触法

十六 気象予報、標準規格、度量衡、メートル法および時法/測地および地図製作/地名/公式の統計および簿記

十七 日本連邦の国家賞および名誉称号

十八 連邦の国家公務員

 第四十六条 共同管轄事項

第1項 日本連邦と日本連邦構成主体との共同管轄には以下の事項が含まれる

一 州の憲法および法律、地域連合体の憲章、法律およびその他の規範的法令と、日本連邦憲法および連邦の法律との適合性の保障

二 国民の権利の保護/民族的、人種的少数者の権利の保護/合法性、法秩序、社会的安全の保障/国境地帯の管理

三 土地、地下資源、水資源およびその他の天然資源の占有、利用、処分の問題

四 国有財産の区分

五 自然の利用/環境保護および生態系の安全維持/特別自然保護区/歴史的・文化的遺産の保護

六 養育、教育、学術、文化、体育およびスポーツの一般的諸問題

七 保健に関わる諸問題の調整/家族、母性、父性および児童の保護/社会保障を含む社会的保護

八 大事故、自然災害、伝染病の予防措置の実施、およびそれらの事後処理

九 日本連邦における租税および手数料の一般原則の制定

十 行政、行政訴訟、労働、家族、住宅、土地、水資源、森林、ならびに地下資源および環境保護に関する立法

十一 裁判所および法維持機関の職員/弁護士、公証人

十二 先住少数民族共同体の古来からの居住環境および伝統的生活形態の保護

十三 国家権力機関および地方自治機関の編制に関する一般原則の制定

十四 日本連邦の構成主体の国際関係および対外経済関係の調整、日本連邦の締結する国際条約の履行

第2項 本条の規定は州、地域連合体に同等に適用される。

 第四十七条 連邦構成主体の管轄事項

日本連邦の管轄外であり、なおかつ日本連邦と日本連邦構成主体の共同管轄でありながら連邦の権限外のことについては、日本連邦構成主体が国家権力の全権を有する。

 第四十八条 域内関税障壁の禁止

日本連邦構成主体間での関税障壁は認めない。

 第四十九条 通貨・国債・地域債

第1項 日本連邦は、連邦が発行し、全土に共通に使える連邦通貨とともに、連邦構成主体が発行権限をもって独自に発行する通貨の存在をも保障する。

第2項 また連邦通貨と連邦構成主体の発行する通貨との兌換性をも保障する。

第3項 日本連邦は、連邦が発行する連邦債とともに、連邦構成主体が発行権限をもって独自に発行する地域債をも保障する。

第4項 ただし、連邦債と地域債との兌換性は認めない。

 第五十条 連邦および連邦構成主体の立法権

第1項 日本連邦の管轄事項に関して、日本連邦の全土において直接効力を持つ連邦の憲法的法律および連邦の法律が採択される。

第2項 日本連邦と日本連邦構成主体との共同管轄事項に関して、連邦の法律ならびにそれに適合して採択される日本連邦構成主体の法律およびその他の規範的法令が公布される。

第3項 連邦の法律は、連邦の憲法および連邦の憲法的法律に違反することはできない。

第4項 日本連邦の管轄外であり、なおかつ日本連邦と日本連邦構成主体との共同管轄外の事項については、州と地域連合体は、法律およびその他の規範的法令を含む独自の法的規制を実施する。

第5項 日本連邦構成主体の法律およびその他の規範的法令は、本条第1項および第2項にしたがって採択される連邦の法律に違反することはできない。

日本連邦の法律と日本連邦において公布されたその他の法令とが相反する場合、連邦の法律が効力を有する。

第6項 日本連邦の法律と本条第4項にしたがって公布された日本連邦構成主体の規範的法令とが相反する場合、日本連邦構成主体の規範的法令が効力を有する。

 第五十一条 連邦構成主体の国家権力編制

第1項 州、地域連合体の国家権力機関のシステムは、日本連邦の憲法体制の基本原則および連邦の法律が定める国家権力の代表機関および執行機関の組織の一般原則にしたがって、日本連邦構成主体が自主的に定めることができる。

第2項 日本連邦の管轄事項の枠内、ならびに日本連邦と日本連邦構成主体との共同管轄事項における日本連邦の権限の枠内で、連邦の執行権力機関と日本連邦構成主体の執行権力機関は、日本連邦における単一の執行権力システムを形成する。

 第五十二条 連邦の執行権力

第1項 連邦の執行権力機関は、自己の権限行使のために、その地域機関を創設し、しかるべく役職者を任命する。

第2項 連邦の執行権力機関は、日本連邦憲法および連邦の法律に違反しない限り、日本連邦構成主体の執行権力機関との合意によって、自己の権限の一部の行使を日本連邦構成主体の執行権力機関に委任することができる。

第3項 日本連邦構成主体の執行権力機関は、連邦の執行権力機関との合意によって、自己の権限の一部の行使を連邦の執行権力機関に委任することができる。

第4項 日本連邦大統領および日本連邦政府は、日本連邦憲法にしたがって、日本連邦の全土において、連邦の国家権力の権限行使を保障する。

 第五十三条 国際機関への権限委任(省略)

 

第五章 日本連邦大統領

 第五十四条 連邦大統領の役割

第1項 日本連邦大統領は、国家の元首である。

第2項 日本連邦大統領は、日本連邦憲法、人および市民の基本権の保証人である。

日本連邦大統領は、日本連邦憲法の定める手続きに従って、日本連邦の主権、日本連邦の独立および国家の統一性の維持に関する措置を講じ、国家権力諸機関の協調的機能と相互作用を保障する。

第3項 日本連邦大統領は、日本連邦憲法および連邦の法律に従って、内政および外交の基本方針を決定する。

第4項 日本連邦大統領は、国内および対外関係において元首として日本連邦を代表する。

 第五十五条 連邦大統領の選挙

第1項 日本連邦大統領は、普通、平等および直接の選挙権にもとづき、秘密投票によって日本連邦国民の中から4年の任期で選ばれる。

第2項 日本連邦大統領は、日本連邦に10年以上定住する35歳以上の日本連邦国民の中から選ばれる。

第3項 同一の人物が二期を超えて続けて日本連邦大統領の職に就くことはできない。

第4項 日本連邦大統領の選挙手続きは、連邦の法律によって決定される。

第5項 大統領が罷免されたとき、または死亡し、辞職し、もしくはその権限を行使し職務を遂行する能力を失ったときは、その権限および職務は首相に委ねられる。

連邦議会は、大統領および首相が共に罷免され、死亡し、辞職し、またはその権限を行使し職務を遂行する能力を失った場合のために、法律により、この場合において大統領として職務を行う公務員を定めることができる。

当該公務員は、大統領もしくは首相が職務遂行能力を回復し、または大統領が選出されるまでの間、その法律の定めに従って、大統領として職務を行う。

第6項 大統領は、定められた時期に、その職務に対する報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを増額または減額することができない。

大統領は、在任中に、連邦またはいずれの州からも、他のいかなる報酬も受けてはならない。

 第五十六条 連邦大統領の宣誓

 大統領は、その職務の遂行を開始する前に、次の宣誓または確約を行わなければならない。

「私は、日本連邦大統領の職務を誠実に遂行し、全力を尽くして、日本連邦憲法を維持し、保護し、擁護することを厳粛に誓う」

 第五十七条 連邦大統領の権限

日本連邦大統領は以下の権限を行使する。

 一 下院の同意を得て、日本連邦首相を任命する。

 二 日本連邦政府閣議を主宰する権利を有する。

 三 日本連邦政府の総辞職に関する決定を行う。

 四 日本連邦中央銀行総裁の任命に関して、その候補者を下院に提案する。また、下院に日本連邦中央銀行総裁の解任を提起する。

 五 日本連邦首相の提案に基づいて、日本連邦の副首相、大臣を任命し、かつ解任する。

 六 日本連邦憲法裁判所、日本連邦最高裁判所の裁判官および日本連邦検事総長の任命に際し、それらの候補者を上院に提案する。また、上院に日本連邦検事総長の解任を提起する。

 七 日本連邦安全保障会議を組織し、かつ指揮する。

  日本連邦安全保障会議の地位は、連邦の法律によって定められる。

 八 日本連邦の軍事原則を認可する。

 九 日本連邦大統領府を組織する。

 十 日本連邦大統領全権代表を任命し、かつ解任する。

 十一 日本連邦軍最高司令官を任命し、かつ解任する。

 十二 連邦議会両院所管の常任委員会または小委員会との協議を経て、外国および国際機関における日本連邦の代行代表を任命し、かつ召還する。

第五十七条 連邦大統領の権限

日本連邦大統領は以下の権限を行使する。

 一 日本連邦憲法および連邦の法律に従って、下院の選挙を公示する。

 二 日本連邦憲法で規定された事由および手続きに従って、下院を解散する。

 三 連邦の憲法的法律に定められた手続きによって、国民投票を公示する。

 四 下院に法案を提出する。

 五 連邦の法律に署名し、かつ公布する。

 六 連邦議会に対して、国情および国家の内政・外交政策の基本方針に関する年次教書を提出する。

 第五十八条 連邦大統領の連邦介入

第1項 日本連邦大統領は日本連邦の国家権力機関と日本連邦構成主体の国家権力機関との間の見解の不一致、および複数の日本連邦構成主体の国家権力機関どうしの見解の不一致を解決するために、協議の手続きを用いることができる。協議による解決に至らない場合、日本連邦大統領は問題の解決を所管の裁判所の審理に委ねることができる。

第2項 日本連邦大統領は、日本連邦構成主体の執行権力機関の法令が、日本連邦憲法および連邦の法律に違反したり、日本連邦の国際的義務に違反する場合、または人および市民の基本権を侵害する場合、問題の解決が所管の裁判所によってなされるまで、当該法令の効力を停止する権限を有する。

 第五十九条 連邦大統領の権限

日本連邦大統領は以下の権限を行使する。

一 日本連邦の外交政策を指揮する。

二 日本連邦の締結する国際条約の交渉を行い、かつそれに署名する。

三 批准書に署名する。

四 他国の外交代表の信任状および召還状を受理する。

 第六十条 連邦大統領の軍指揮権

第1項 日本連邦大統領は、日本連邦軍の最高司令官である。

第2項 日本連邦に対する侵略または侵略の直接的な脅威がある場合、日本連邦大統領は日本連邦の全土またはその個別の地域に戒厳令を導入し、そのことを速やかに上院および下院に通知する。

第3項 戒厳令の体制は、連邦の憲法的法律が定める。

第4項 日本連邦大統領は、連邦構成主体である州、地域連合体に大災害あるいは大惨事が生じた際、連邦構成主体の代表機関(議会)からの要請ある場合、自国民の速やかな救助・救出のために日本連邦軍を出動させ、最高位での指揮を執る

第5項 日本連邦大統領が治安のために軍を出動することは、この憲法が認めない。

第6項 軍人が軍を動かすことについても、この憲法は認めない。

 第六十一条 非常事態の導入

日本連邦大統領は、連邦の憲法的法律で規定されている条件および手続きによって、日本連邦の全土またはその個別の地域に非常事態を導入し、そのことを速やかに上院および下院に通知する。

 第六十二条 連邦大統領の権限

日本連邦大統領は、以下の権限を行使する。

一 日本連邦の国籍および政治的亡命保護の問題を解決する。

二 日本連邦の国家賞、名誉称号、軍人の上級称号および上級特別称号を授与する。

三 特赦を実施する。

 第六十三条 連邦大統領のその他の権限

第1項 大統領は、随時、連邦議会に対して、国の内外の状況に関する情報を提供し、必要かつ適当と判断する施策を審議させ、必要に応じて立法するよう勧告する。

第2項 大統領は、非常の場合には、両院またはいずれかの議院を招集することができる。

第3項 大統領は、休会の時期について、両院の間で意見が一致しないときは、その適切と考える時期まで両院を休会させることができる。

第4項 大統領は、大使その他の外交使節を接受する。

第5項 大統領は、法律が誠実に執行されるよう配慮し、連邦のすべての公務員に辞令を発する。

 第六十四条 連邦大統領令・大統領指令

第1項 日本連邦大統領は、大統領令および大統領指令を公布する。

第2項 日本連邦大統領の大統領令および大統領指令は、日本連邦の全土において、その執行が義務である。

第3項 日本連邦大統領の大統領令および大統領指令は、日本連邦憲法および連邦の法律に違反してはならない。

 第六十五条 連邦大統領の不逮捕特権

日本連邦大統領は不逮捕特権を有する。

 第六十六条 連邦大統領の任期

第1項 日本連邦大統領は、宣誓とともに権限の執行を開始し、任期満了とともに新たに選出された日本連邦大統領の宣誓を持って権限の執行を終了する。

第2項 日本連邦大統領は、十色に因る場合、健康状態によって大統領の権限行使が継続的に不可能な場合または罷免された場合、任期満了前に権限の執行を終了する。その場合、任期満了前の権限の執行終了の時から三ヶ月以内に日本連邦大統領の選挙が行われなくてはならない。

第3項 日本連邦大統領が職務を執行できない状態にある場合、日本連邦首相がその職務を臨時に代行する。日本連邦大統領の職務の代行は、下院の解散、国民投票の公示および日本連邦憲法の規定の修正および改正の提案を含まない。

 第六十七条 連邦大統領の罷免・弾劾

第1項 日本連邦大統領の罷免は、大統領の国家反逆またはその他の重大な犯罪の嫌疑について下院が弾劾を発議し、日本連邦最高裁判所が、大統領の行為に犯罪の構成要件が備わっていることを結論付け、なおかつ日本連邦憲法裁判所が、所定の手続きを遵守して弾劾の発議がなされていることを結論づけた場合のみ、上院がなし得る。

第2項 下院による大統領の弾劾の発議に関する決定および上院による大統領の罷免に関する決定は、下院の議員の三分の一以上による発議により、かつ下院の組織する特別委員会による結論を経て、下院および上院の議員総数のそれぞれ三分の二以上の多数によって採択されなければならない。

第3項 弾劾裁判の判決は、公職を罷免し、また名誉、信任または俸給を伴う連邦の公職に就任し在職する資格を剥奪することを超えてはならない。

ただし、これがために、弾劾の裁判において有罪とされた者が、法律に従って、訴追され、裁判および判決を受け、刑罰に服することについては、これを妨げない。

第4項 日本連邦大統領の罷免に関する上院の決定は、下院による大統領弾劾の発議から三ヶ月以内に採択されなければならない。この期間中に上院の決定が採択されなかった場合、大統領への弾劾は却下されたものとみなされる。