LIFE LOG(八ヶ岳南麓から風は吹く)

八ヶ岳南麓から風は吹く

大手ゼネコンの研究職を辞めてから23年、山梨県北杜市で農業を営む74歳の発信です/「本題:『持続可能な未来、こう築く』

日本政治

はじめに ——— 今のままでは、早晩、日本はもちろん世界人類も生きてはいかれなくなるという私の危機感が本書を書かせた

itetsuo.hatenablog.com できたら紙の本にしたいと思い、タイトルを「持続可能な未来、こう築く」として書き溜めてきた原稿を、私の息子の手を借りて、これまで私は30数回にわたって公開してきました。 単行本にしようとしたその内容は《第1部》と《第2…

7.6「人類存続可能条件」が私たちに要求する生き方とは何か。そしてそれを私たちはどうしたら受け入れられるか

スエーデンの若干16歳の環境活動家グレタ・トウーンベリさんに触発されて、2019年、数百万人の若者が世界の路上や広場を埋め尽くしました。止まらない地球の温暖化に因る気候変動に危機感を抱いたがためです。それも、あらゆる手段を尽くして、既存の…

7.5 生物としての「ヒト」と社会的存在としての「人間」

今、世界では、特に先進国になればなるほど、人々は、「人間の疎外化」という状況が深まる中に置かれています(7.4節)。疎外化、それは、人間が、それぞれ、統一的、全体的視野が失われて一面化あるいは断片化し、互いの関係がバラバラになる孤立化を招…

7.4 便利さ・快適さを追い求めることが意味するもの————————その2

7.4 便利さ・快適さを追い求めることが意味するもの ————————「その2」 これは「その1」に続くものです。 7.4 便利さ・快適さを追い求めることが意味するもの ————————「その2」 これは「その1」に続くものです。 ⅵ.AI(人工知能) AIは正に、今…

7.4 便利さ・快適さを追い求めることが意味するもの————————その1

今回に先立って4.5節では、「人間にとっての豊かさ感」について、私の考えを述べてきました。そこでは、経済が発展すればするほど、そして金銭も含めて、物質的に、あるいはそれらが量的に豊富になればなるほど、時代も、人も、精神面あるいはこころの面…

4.5 人間にとっての「豊かさ」感についての仮説

国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)、その他の科学者集団によると、地球温暖化が加速し、生物多様性の消滅も加速度的に進んでいる今、人類が存続をかけて対策の手を打てるために残された時間はもうほとんどない、とされています。 そんな中で、持続…

7.1 国民に冷酷かつ狡猾なこの国の官僚はどのようにして生まれたのか——————————その2

以下は、「その1」に続くものです。 7.1 国民に冷酷かつ狡猾なこの国の官僚はどのようにして生まれたのか——————————その2 以下は、「その1」に続くものです。 その際、参考にさせてもらったのは、以下の書物である。 いずれも元官僚だった人の著書であ…

7.1 国民に冷酷かつ狡猾なこの国の官僚はどのようにして生まれたのか——————————その1  

本当ならば、今回も第4章の続きとして、その章の最後の節である4.5節を公開すべきところなのですが、今回はその予定を変えます。 それは次の理由によります。 どうも「新型コロナウイルス」に対する中央政府の対応、特に、そこでのこの国の公式的には最…

4.4 都市および集落の三種の原則

前節の「人間にとっての基本的諸価値とその階層性」に続いて、今回公開する以下の節の内容も、今、地球温暖化の危機そして生物多様性の消滅の危機に直面している私たち地球人類にとって、その危機を克服するためというだけではなく、私たち一人ひとりが、本…

4.3 人間にとっての基本的諸価値とその階層性

前回は「全地球的・全生命的指導原理としての三種の原理」について、私なりの見解を発信してきました。 今回は、人間にとっての基本的価値というものと、それらは階層性をなしているのではないか、ということについて、やはり私の見解を述べてみようと思いま…

4.2 全地球的・全生命的指導原理としての三種の原理

これまでは、当初、紙による本にしようかと考えていた書名「持続可能な未来、こう築く」についての「目次」(2020年8月3日に公開済み、以下にリンク掲載)の中の第1章の全ての節と、第2章の1節、2節、3節そして6節、第3章の全ての節、第5章の…

3.2 《エントロピー発生の原理》が教える人類の存続を可能とさせる条件 ——————その2

今回公開する内容は、前回の同名のタイトルの節の下での「その1」に続くものです。 3.2 《エントロピー発生の原理》が教える人類の存続を可能とさせる条件——————その2 では第3の問いに対する答えはどうなるのか。 これに答えられるためには、まずは第…

3.2 《エントロピー発生の原理》が教える人類の存続を可能とさせる条件 ——————その1

3.1節では人類の存続を可能とさせる条件について考えてきました。そこでは、私は、人類が存続可能となりうるか否かは、大きくは、核戦争の脅威から人類が解放されるか否かということと、広義の意味での環境問題を克服できるかどうかの二つにかかっている…

3.1 人類の存続可能な条件を人類に教えてくれるのは《エントロピー発生の原理》と《生命の原理》

この国は、少子化を止められない中、人口は減少し、高齢化の中で国の活力を失い始め、しかも国の借金(政府債務残高)はGDPの2.4倍も抱えたままです。このままでは、若者や子供たちさらにはまだ見ぬ世代に、そのツケは全て負わされてゆくような事態になり…

2.1 なぜ政治が国民にとってあらゆる社会制度の中で最も重要な制度なのか

この程、アメリカ合衆国の大統領選挙が行われました(11月3日)。しかし、三日経った今も、僅差による票の再集計等の理由により、トランプとバイデンの両候補のどちらが大統領になるか決着はついていません。というより、本当に決着がついて大統領が正式…

1.4 しかし日本は未だ「近代」にも至ってはいない——————その2

今回は、同じ節で前回の「その1」に続くものです。タイトルの通り、私たちの国日本は、近代国家のように言われて来て、また多くの人はそのように信じたり信じ込まされたりしてきたように見えますが、よく考えてみると、既述の通り(9月6日と8日のブログ…

1.4 しかし日本は未だ「近代」にも至ってはいない——————その1

第1章のこれまでは、私は、混迷の度合いがますます深まっている世界の現状について、特にアメリカに焦点を当てて見て来ました。そしてそこでは、世界がますます混迷の度合いを深めているその本質的な原因は、近代の黎明期に生まれ、その後支配的となってき…

1.3 世界における「近代」は既にとうに終わっている

今回公開する節も、本章の表題「世界はなぜ混迷の度合いを深めてゆくのか」に関する著者の見解の一つです。 今回も、一回で全部を公開します。 1.3 世界における「近代」は既にとうに終わっている これまで、私は、1.1節では、ますます混迷を深めてい…

1.2 世界をそうした混沌へと陥れている本質的原因

主峰赤岳に雪が来た晩秋の八ヶ岳連峰 今回公開するのは、当初、紙による単行本として世に出そうと考えた拙著「持続可能な未来、こう築く」の目次(2020年8月3日、公開したもの)の1.2節です。 前回の1.1節に続くものです。 今回は、これまで初め…

1.1 ますます混迷の度合いを深めて行く世界————————————その3

1.1 ますます混迷の度合いを深めて行く世界————————————その3 これまでの「その1」と「その2」では、世界はなぜ混迷の度を深めてゆくのかという私の疑問の下に、その最大の元凶であるアメリカを中心にして、政治面と経済面と環境面に焦点を当てて、そ…

1.1 ますます混迷の度合いを深めて行く世界————————————その2

1.1 ますます混迷の度合いを深めて行く世界————————————その2 刈り入れを間近にする我が家の稲田(この稲田ももちろん無農薬で無化学肥料の完全有機栽培による稲田です) 同じタイトルの「その1」ではアメリカの政治が世界に混乱を引き起こし、さらにそ…

第1章 世界はなぜ混迷の度合いを深めて行くのか、そして日本はなぜ?

第1章 世界はなぜ混迷の度合いを深めて行くのか、そして日本はなぜ? いよいよ今回は、拙著「持続可能な未来、こう築く」を執筆し始めた出発点に当たる第1章に戻って公開します。 私の問題意識は、その表題に表現されたものから始まります。 世界は今、平…

5.3 日本国民とドイツ人との生き方の比較 ————ヴァイツゼッカー大統領演説『荒れ野の40年』から見えてくる戦後のドイツ人の生き方を参考にして————————その2

5.3 日本国民とドイツ人との生き方の比較 ————ヴァイツゼッカー大統領演説『荒れ野の40年』から見えてくる戦後のドイツ人の生き方を参考にして————————その2 5.3節の「その1」では、とくに、ドイツはどういう動機と目的の下に戦後の経済復興と発展…

5.3 日本国民とドイツ人との生き方の比較 ————ヴァイツゼッカー大統領演説『荒れ野の40年』から見えてくる戦後のドイツ人の生き方を参考にして————————その1

今、私は、インテーネット上にて、20数年来書き溜めてきた原稿を、「ブログ」として次々と公開しています。それは、当初は紙による単行本として出版しようと思ったものです。想定した書名は「持続可能な未来、こう築く」です。そしてその書の目次は、すで…

5.2 日本人の生き方は「お上」と呼ばれた官僚を含む役人一般から見倣った生き方——————その2

5.2 日本人の生き方は「お上」と呼ばれた官僚を含む役人一般から見倣った生き方——————その2 以下は、前回の「その1」に続くものです。 (以下のリンクから飛んでいただけます) itetsuo.hatenablog.com 前回では、世界の民主主義国の人々からは異質と思…

5.2 日本人の生き方は「お上」と呼ばれた官僚を含む役人一般から見倣った生き方 ——————その1

そば農園と透き通った秋晴れ 今回公開する内容は、前回公開した5.1節「私たち日本国民一般に見られるこれまでの『もの考え方』と『生き方』の特徴」(その1、その2)に続くもので、果たして日本国民一般は、どうしてそうしたものの考え方と生き方を身に付…

5.1 私たち日本人一般に見られるこれまでの「ものの考え方」と「生き方」の特徴——————その2(改訂版)

5.1 私たち日本人一般に見られるこれまでの「ものの考え方」と「生き方」の特徴——————その2(改訂版) 前回の(その1)では、近い将来、この国もますます直面してゆくことになるであろうと推測される前代未聞の大災害や大惨事に対して、私たち日本国民…

5.1 私たち日本人一般に見られるこれまでの「ものの考え方」と「生き方」の特徴—————その1(改訂版)

今回は、拙著「持続可能な未来、こう築く」について、2020年8月3日掲載の目次の中の5.1節を公開しようと思います。 それは、第1章でも述べてきたように、今後、地球温暖化と生物多様性の劣化が加速度的に進むことによって、ますます前代未聞の大災…

2.6 国家とは何か、日本は国家か、なぜ国家でなくてはならないか ————その2

2.6 国家とは何か、日本は国家か、なぜ国家でなくてはならないか————その2 市内にある湧水。夏を涼しくさせる。 では、国が国家でなかったなら、すなわち国家と言える統治体制を整えていなかったなら、どういうときに、どういうことが起こりうるのだろう…

2.6 国家とは何か、日本は国家か、なぜ国家でなくてはならないか —————その1

2.6 国家とは何か、日本は国家か、なぜ国家でなくてはならないか—————その1 この国では、国家戦略とか国家権力、国家転覆、国家的危機、あるいは国家公務員、国家試験と、頭に国家なる文字を冠した言葉が時々聞かれる。ではその国家と国とは違うものなの…